この記事の目次
No.505 漫画の添削よろしくお願いいたします ごまっち
【添削回数】2回目
【制作時間】60分
【トレーニング】右脳トレーニング
【目的】漫画を描くこと
【気をつけたところ】グリッド線をひき、線にならないように意識しましたが、結局最後は引いてしまいます。
【質問】
顔のパーツの位置がズレてしまい、バランスがとても悪くなってしまいます。
また、シワの描き方が分からず教えていただけましたら幸いです。
No.507 人物・添削いたしました ピリカアートスクール高野
初めまして。
今回担当させていただきますピリカアートスクールの高野と申します。よろしくお願いいたします。
作品拝見いたしました。
スタイリッシュでおしゃれな絵柄だと思いました。
実際に漫画を描かれたときの画面も浮かんできます。
少ない線で女性的な魅力を表せていると思います。
それではもっと良くなるために添削にまいりたいと思います。
■固有色と陰影
線を引いてしまうとのことですが、この問題は、ほぼ固有色の塗りと陰影の意識で解決すると思います。
実際の物体は線で囲まれているわけではありませんよね。
ですからデッサンをする際、輪郭線は最低限にします。
鉛筆で固有色と陰影を入れることで物の立体を表現します。
固有色の塗りと陰影があれば輪郭線は薄くても立体はわかりますし、よりリアルに見えます。
肌や服の色を塗れば輪郭線は薄くても成立しますね。
作品はデッサンとして見ると全ての線が濃くてはっきりしています。
唇の輪郭も実際は線ではなく固有色の変化の境目ですね。
特に陰影はエッヂが効いた線ではなく、大なり小なりグラデーションの変化ですので、デッサンするときに線ではなく鉛筆の濃さのグラデーションで表現します。
作品の中で陰影を線で表現されている部分は、鼻筋、エラからアゴにかけて、服のシワ、です。
これらはモチーフを見ると線ではなく陰影で見える部分ですよね。
漫画の場合はこれらも便宜上線で表現するという方法は正しいですが、デッサンの場合は陰影で表現してみてください。
漫画では陰影をハッチング(斜線やカケアミ)で表現する場合もあります。
(女性作家さんや上條淳士さん、小畑健さんは少ないです)
またカラー原稿では陰影の感覚が必要ですし、モノクロでも陰影をトーンで表現することは多いです。
ですから漫画でも陰影の感覚は必要なのです。
■顔のパーツのズレ
顔のパーツを正確に描くには、顔にガイドラインを引いてみましょう。
俗に言う十字線です。資料①をご覧下さい。
モチーフの顔にガイドラインを引きました。
十字とは正中線(体の中心線)と目の横の線の2つです。
この2つを正しく設定することで顔の傾きと左右の対称性が狂わなくなります。
資料①の作品にモチーフのガイドラインを重ねました。
モチーフは右のエラを上げるような角度を作っているので、顔の傾きは右上がりになっています。
これに比べると作品は水平に近いですね。
加えて、眉毛、目、口は本来平行であるはずです。
作品のピンクのラインは眉毛、目、口のラインです。
平行になっていないのがよくわかると思います。
パーツの位置がズレてバランスが悪くなったと感じる原因はここです。
顔の傾きだけではなく、この3つのパーツが平行になっているかもチェックしましょう。
(顔が横向きになればなるほど顔のパーツにもパースがかかってくるのでそこも意識)
十字線を入れて描くのはプロの漫画家でもやっている手順です。
口の形は似てると思いますよ。
■上半身のデッサン
上半身が少し気になりました。資料②にモチーフの輪郭線を重ねてみました。
作品は首が長いですね。そしてやや細い印象です。
肩の角度も作品の方がやや張っていますね。女性の肩はなだらかです。
また、脇のライン、つまり胴体の幅が左側にずれています。これは正中線を描くクセを付けると狂わなくなります。
ピンクの線が正中線です。モチーフはやや右側の肩が下がっているので、正中線も傾いていますね。
■シワの描き方
資料③をご覧下さい。基本的にシワは服の張ってるところからたわんでいるところに向かってできます。
ピンクの矢印がそれです。
このモチーフでは肩の部分が張っているので、肩からたわんでいる脇に向かってできています。
特にこの服は体にフィットしているのでより肩が張っています。
したがって逆にシワを肩まで伸ばしてしまうのは間違いです。
これが腕を少し上げたり、腕をまくったボタンシャツを描く場合だと、肩の方までシワも伸びます。
また、この服の首の部分や腕まくりをしたシャツ、ズボンの裾の部分のように、たわんだ筒状の部分のシワは、基本的に菱形の連続になります。
緑色の線です。この服の首の部分は素材的にやや複雑につぶれていますが、なんとなく菱形とそれを半分にした三角形で構成されているのがわかりますでしょうか。
ズボンのシワも基本的には菱形と三角形の連続です。
ただ、漫画でシワを描きすぎるとそれはそれで違和感が出ますので、加減が必要です。
漫画ではシワは線で描きますが、冒頭にも書いたように実際にはシワは線ではありません。
シワは凹凸の陰影です。デッサンをするときには膨らんだラインを明で、その陰を暗で表現しましょう。
リアルなシワになります。漫画ではシワの線や陰影をハッチングで表現することもあります。
■まとめ
- 輪郭線は最低限で固有色と陰影で表現する
- 陰影は線ではなく濃さのグラデーション
- 顔は十字のガイドラインを引いて角度と平行を意識
- 正中線を引いて左右対称を意識
- シワは張ってるとこからたわんでいるとこへ、筒状は菱形の連続
- シワは凹凸の陰影
写真の人物を漫画的線画にするセンスは持っておられると思います。
あとは正確さなので、知識と慣れで必ず向上する部分です。
時間があるときはできるだけ・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
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