
ピリカアートスクールでは、毎週オンライングループデッサン会を開催しています。
今回のモチーフは「筋肉」。骨格に沿って張りつき、盛り上がる筋肉をじっくり観察することで、描写力は大きく伸びていきます。
「どう見るか?」が上達のカギ。
だからこそ、ただ描くだけでなく、形の流れや光と影の関係をしっかりと解説しています。
✨詳しい解説や描き方の実演は、ぜひ動画でご覧ください!
腕の筋肉を描くときの発見
腕の筋肉を正面からじっくり観察するのは、実は今回が初めてかもしれません。
骨格に沿って盛り上がる筋肉、手首から指先へとつながる流れ。これを丁寧に追いかけることで、ゴツゴツとした人体の厚みや、立体的な存在感を掴む練習になります。
骨の上に張りつく筋肉
人体はまず骨が基盤としてあり、その上に筋肉が覆いかぶさるようについています。
特に肘の関節は、手首へと向かって筋肉が少しねじれながら走っていて、これが腕の表情を豊かにしています。筋トレで鍛えた人の腕だと、そのねじれや盛り上がりが一層強調され、描きごたえがあります。
シルエットを見直す
細部を描き込んでいると、全体のバランスが崩れてしまうことがあります。そんな時は一度視線を引いて、シルエットだけを見直してみましょう。
指や筋肉の盛り上がりをいったん忘れて、影になった余白や大きな曲線を観察する。これだけで「手が大きすぎた」「腕が細すぎた」といった違和感を調整しやすくなります。
光と影がつくる立体感
今回のモチーフは、正面から強い光が当たり、さらに左上からの光も感じられる環境。
腕の正面は明るく、右下は影になり、自然と立体感が生まれます。
腕を円柱の積み重ねだとイメージするとわかりやすいでしょう。鉛筆のタッチも、筋肉の回り込みに沿わせて入れることで、ふっくらとした厚みが紙の上に現れてきます。
一気に描かず、パーツで区切る
最初から一気に完成形を目指そうとすると、難しさに飲み込まれてしまいます。
「ここが手の甲」「ここが指の収まる範囲」「ここが親指の影」――そんなふうにざっくりパーツに分けておくと、形が安定しやすくなります。
そこから光と影を確認し、暗い部分にしっかりトーンを置き、筋肉の盛り上がりに合わせてタッチを重ねる。少しずつ肉体が立体的に浮かび上がってくるはずです。
腕は単なる「棒」ではなく、複数の円柱が重なり、ねじれ、盛り上がりながら形をつくっています。
その動きを捉えられたとき、デッサンはぐっとリアルになります。