デッサンの魅力を引き出す!人物描写の観察と加筆のヒント

人物画が上達したいために基礎となるデッサン力を身につけたいと受講生の作品について、アドバイスさせていただきました。右側の作品は、講師の加筆例となります。

講師による添削アドバイス

今回の作品は前回よりも表現が複雑になり、とても良く仕上がっています。
あと一歩でさらに完成度が高まるので、細かい部分を意識してみましょう。
まず額の部分は髪との境界がやや直線的に感じられるため、奥行きを意識しながら明暗の微妙な変化を描き加えると、回り込みの立体感が表現できます。また、瞳の黒をもうワントーン濃くすると視線が引き締まり、目を描く際には目線の方向も意識すると良いでしょう。

鼻は細かく観察すると明暗が逆になっている部分があるため、正確に描き直すとリアリティがさらに増します。胸の右奥への回り込みを意識してタッチを加えることで立体感が増し、存在感が引き立つでしょう。
モチーフが画面ギリギリまで入っている場合は、画面外への繋がりを感じさせるために隅々まで描き込むことも重要です。

腕は存在感が出てきていますが、脇の部分からの繋がりを丁寧に描き込むことで、腕の太さが自然に見えるようになるはずです。
また、首から肩にかけての形状は明暗に惑わされず、形そのものに注目して描き直してみてください。耳の厚みにも注意を払い、耳たぶを立体的に描くことで存在感を持たせることができます。
側面の髪の毛は頬の面から繋げて全体を捉えることで、まとまりと立体感が増すでしょう。これらの細かな部分を意識して加筆を加えることで、作品の印象はさらに良くなります。
自分で手を入れて変化を感じてみると、新しい発見があるかもしれません。ここまでとても良くなっていますので、これから描く楽しさがどんどん広がっていくと思います。次回の作品も楽しみにしています!

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