立体感が変わる!猫のデッサンで学ぶ光と影の描き方

水彩画が上達したいために基礎となるデッサン力を身につけたいと受講生の作品について、アドバイスさせていただきました。右側の作品は、講師の加筆例となります。

まず全体的な印象として、立体感が不足しており、トーンが均一で明暗の差がないため、全体的に平坦な印象を与えています。
また、プロポーションにも微妙なズレが見られるため、全体のバランスがやや不安定に感じられます。
改善のためには、まず光の方向を理解することが重要です。モチーフを見ると右前足の右側に影ができているため、光源は左斜め上にあることがわかります。
光源の位置を意識しながらモチーフ全体を観察し、光が当たる部分と影になる部分を明確に描き分けることで、立体感を引き出すことができます。
また、正中線を意識することも大切です。モチーフでは首が左に傾いているため正中線も左に傾いているべきですが、デッサンではその傾きが表現されていないため、モチーフの特徴が損なわれています。
さらに、プロポーションのズレについても注意が必要です。モチーフ上で両耳や目、鼻、前足などの位置を確認し、それをデッサンに正確に反映させることで、バランスの良い構図を作ることができます。
アタリの段階で時間をかけて正確に形をとることで、全体の完成度が大きく向上します。これらのポイントを意識しながら、まずはもっと簡単な形のモチーフ、例えば幾何形体やティッシュボックスのような立方体を選び、何度も描いてみることをお勧めします。
この練習を通じて、自然とプロポーションや明暗の観察力が身につき、それを正確に描けるようになるでしょう。次回は今回のアドバイスを参考に、ぜひ再挑戦してみてください。





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