【人物の添削アドバイス】顔の印象を似せるためのポイントとは?スケッチ&デッサンではここをチェック!
ピリカアートスクール人物の添削アドバイス
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ピリカアートスクールの講師による添削アドバイスの一例をご紹介いたします。

 

この受講生は、2回目の添削アドバイスになります。
1度目は、かぼちゃの静物を描かれましたが、今回は人物に挑戦です。

 

人物は観察すべき点も多く、静物画よりも少し複雑なモチーフになるので、難易度があがりますね。

 

添削アドバイス申込内容【制作時間】40分
【描く力を身につける目的】目標としている絵のイメージは、「写実画」です。
【気をつけた事】1回目の添削アドバイスにありました「影を必ず描く」を意識して描きました。
【質問】人物を描く際は、どの程度の濃さ・柔らかさの鉛筆を何種類くらい用いて(使い分けて)描いたらいいのでしょうか?
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ピリカアートスクールの添削アドバイス

作品拝見しました。ピリカアートスクール講師のFUJITAです。

 

今回の作品は、全体のバランスも良いですし、目元や唇、髪の毛などの質感の差も出ています。

今回はご質問にお答えしながら「形の微調整」と「濃淡」について解説させていただきますね。

 

・資料Ⅰの青い線はオリジナルの輪郭線です。頭部から順に見ていきましょう。

 

ピリカアートスクール人物の添削アドバイス
ピリカアートスクール人物の添削アドバイス

最初に気になったのは髪の毛のボリュームです。

 

モデルの特徴はよく捉えていますが、頭部【A】から【B】までの面積が足りていないため、髪型の印象が少し違うように感じられてしまいます。

髪型の印象というのは、その人の持つ雰囲気を大きく左右するので、注意深く観ていきましょう。

 

固定概念だけで観察していると「こんなものだろう」という所で止まってしまうものです。

 

「この人の特徴は何かな?」
「どうしたら似てくるかな?」と、

常に自分の目を疑いながら、冷静な目を持って、観察していきましょう。

 

このモデルの女性は、髪型を上下左右にふんわりと持ち上げるようにセットしていますから、鉛筆を動かす時のタッチも直線より柔らかい曲線を意識しすると良いですね。

 

額にかかる前髪・トップ・横髪・毛先の軽やかさ、生え際から毛先までの流れと線の強弱も観察のポイントです。

 

初めの段階では、細部が気になるかも知れませんが、まずはモデル女性の「シルエット」だけに注目して、大まかな形の印象をみると分かりやすいかもしれません。

 

それから徐々に細部の描き込みに入っていくと、全体のバランスを見失わずに、描き進めて行かれると思います。

 

今後、他のモデルを描くときにも髪型や飾りなどの装飾品に惑わされず、首筋や顔の輪郭から頭までの「つながり」「丸み」を、先ずは正確な印象で捉えられると良いですね!

顔のパーツの配置について

・顔のパーツは正中線(中央を通る線)を軸に左右のバランスを測っていきます。

 

今回の作品では、鼻筋から顎の先端にかけて、正中線の位置は問題ありませんね。

目鼻立ち【C】の間隔もかなり正確に測れていると思います。

 

【C】は左右の順に眉、上瞼、下瞼、鼻下、口角をつないだ線ですが(描き手から見て)右目と右眉がほんの少し高い位置に描かれているので左目と合わせましょう。

 

・目の形はオリジナルよりもちょっとだけツリ目に見えますね。

 

【E】の目を比較してみてください。(上)が◯◯さんの描かれた目、(下)が実物の目です。

 

必ず左右の形の違いを観察し、白目の面積が広くなりすぎないように意識して形を整えましょう。
(特にアーモンド型の目を描いてしまう方は、この部分の観察を丁寧にしましょう)

 

黒目は光沢まで細かく描き込まれていて綺麗です!

 

モデルが生き生きとして魅力的な作品に見えるのは、この黒目の描写によるものだと思います。

 

・それから、顔のパーツを描くときは「余白」を見るのもオススメです。つまり目や鼻ではなく周辺の皮膚の面積ですね。

 

作品では目尻・眉尻からコメカミまでの面積【D】がやや狭く描かれています。

 

目鼻など目立った部分だけでなく、頬や顎、額などの面積にも注目すると形を測るヒントになりますので、1つのパーツを見るだけでなく、その周りの「関係する部分」との関わりにも注目していきましょう。

 

また、面積で観られるようになってきたら、中身の凹凸(量感・ボリューム感)にも目を向けられると、なお良いですね。印象を合わせやすくなります。

 

それから、首や肩のラインを測るときにも「余白の観察」は役に立ちますよ。

 

【G】を見ていただくと右肩の角度が足りないことに気付かれると思います。

 

女性は右肩をやや高く上げている姿勢のため、自然と鎖骨ももう少し右肩上がり【F】になるはずです。

 

左右対象に存在するものに関しては、必ず左右の「違い」を見つけるようにしましょう。

使用する鉛筆の種類について

・次に使用する鉛筆について触れていきたいと思います。

 

資料Ⅱの画像と合わせてご覧ください。

 

鉛筆は少なくとも4B(柔らかい・濃い)~2H(硬い・薄い)まで揃えましょう。

 

濃いものは6B〜揃えられると、より色幅が広がりますので、プラスαで出来ればご用意ください。

 

もっと濃い・薄い鉛筆はありますが、ひとまず上記の種類があれば安心です。

 

今後どのモチーフを描くときも手元に置き、題材によって使い分けられると良いですね。

 

それには様々なモチーフに取り組み、実際に鉛筆で描き比べるのが一番です。

 

・芯が柔らかい(濃い)B系の鉛筆は、横に寝かせて幅広く濃淡を乗せたり、濃い色を指やティッシュで淡くぼかしたり、練り消しゴムで色をおさえたりすることで色々なタッチ・質感の表現が可能です。

 

髪や肌の濃淡(明るい面、暗い面)の描き分けなどに使えます。

 

デッサンで最初に大まかな濃淡や立体感を捉えるために、柔らかい鉛筆で幅広く濃淡を乗せることも多いです。

 

・芯が硬い(薄い)H系の鉛筆は繊細なタッチを表現できます。

 

薄い線を細かく重ねることで睫毛や皺、他にも軽い羽毛、硬質なガラスのコップなどの描写に向いているかもしれません。

 

ただ力加減や線の重ね方を工夫しなければ、紙に硬いひっかき傷のような跡が残り、消せなくなってしまうこともあります。

 

濃い鉛筆のガサガサとしたタッチが苦手な方は最初から硬めの鉛筆を使う場合もあるでしょう。

 

個々の筆圧の違いにもよるので、一概に「肌はこの鉛筆!」「髪はこの鉛筆!」と決まっているわけではありません。

 

例:黒髪…柔らかい鉛筆で大体の濃淡を乗せて、硬い鉛筆で毛先や表面の毛の流れを描く。

 

白髪や赤ん坊の髪…最初から硬い鉛筆で、繊細な濃淡の変化と毛の流れを描き込む。

 

・資料Ⅱは作品の上から濃淡を加えてあります。

 

作品では、まだ全体的に画用紙の白色が残っていて、鉛筆の密度が足りていない印象です。

 

モチーフを少し離れた場所から観察して、大まかな濃淡バランスを探っていきましょう!

 

最初は「なんとなく」で構いませんので、明るく見える所と暗く見える所を探して比べてみてください。

 

資料Ⅱの①②③を例に挙げてみますので、それぞれ比較して色の差を描き分けてみましょう。

 

ピリカアートスクール人物の添削アドバイス
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①白色の服よりは、肌色のほうが暗い。
②(オレンジ色で塗った)首元よりは、顔面のほうが手前にあるので明るい。
③額の肌色よりは、髪色のほうが暗い。

 

今回の作品でも、肌の凹凸を表現するために鼻筋や小鼻などに陰影を乗せておられますが、下地として全体の濃淡バランスを捉えておかないと、細かい陰影ばかりが浮いて見えてしまう状態になりがちです。

 

今回の添削は以上です。添削を受講いただき、ありがとうございました!

今後の課題

今後の課題として写実的な作品を目指していかれるのであれば、普段のトレーニングに「部分的な細密描写」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

描いていて面白そうだと感じた一部分を徹底的に、写真と見間違うくらい描いてみる練習です。

 

実際に描けなくても構いません。似せようと集中して観察する時間や執念が大切です!

根性論のように聞こえるかも知れませんが・・・、

 

そうではなくて、「似せたい」という思いだけで、時間も忘れるほど集中して描いているという事を、少しでもしておくと、描き方を教えてもらった時の「吸収の仕方」が違うからなのです。

 

実際に描いた事が無いと、「ふんふん。そうかそうか。」というふうに、分かったような気になって、さっと流してしまうようなことも、自分が苦労して描こうとした部分であれば「どうしたら上手く行くのか?」と、真剣に聞く耳を持てるのです。

 

目的を持って学ぶ事は、とても大切だと感じています。
それは、人間は興味のある事にしかアンテナが貼られないからです。

 

細密描写のモチーフとしては、例えば、唇ひとつ描くのも意外と楽しいですよ。

 

濃淡、皺、光沢、反射、隙間から見える歯など観察ポイントは盛り沢山です^^

 

描写力がついてくると、完成度がグッとあがります。

時間がある時にでも試してみてくださいね。

 

また、「自分はこのくらい描けるんだ」ということが理解できると、初めの段階で、完成予想図が大まかに見えてきます。

 

例えば、どれくらい濃い色を付けても大丈夫なのかが判断できるようになれば、徐々に少しずつ色を載せなくても、一気に色を付ける事ができます。

 

すると、その時間を短縮する事ができますので、効率よく描き進めることができます。

まとめ

添削内容をご覧いただき、いかがでしたか?

 

その時々のモチーフについてのアドバイスをさせていただいていますが、実際には、いろいろな場面で使える考え方をお伝えしています。

 

練習を繰り返す中で、「講師の言っていたことはこれか〜!」と、後から気がつくことも多々あるかと思います。

 

一度言われても、描き始めると夢中になってしまい、前回の内容を忘れてしまい反映できなかった・・・、ということが結構あったりしますので、要点をメモに描き出しておくのも良いですね。

 

後は、復習として、「同じモチーフをもう一度描いてみる」か「作品の上から描き加えてみる」というのもオススメです。

 

やはり、頭で理解しているようでも、実際の変化を体感することで、より身につきやすくなります。

「読むだけ」では勿体ないので、是非実践しアドバイスを余すところなく活かしてくださいね!(^ ^)

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