美術系ではない学生さんたちへの講義
先日、琉球大学で講義をさせていただく機会がありました。
デッサンすることを通して「創造性について」体験して欲しいということでお話をいただいたのですが、
そもそも「創造性」とは?・・・・私も学び直しながら、講義の準備をさせていただきました。
アート系の学部というわけではなく、工学部や理系の学生も多かったので、
「デッサンなんて中学の美術以来です!」といった感じの学生さんも多く、「描くこと」にどれくらい興味を示してくれるか分からなかったのですが、事前のアンケートでは、思いの外絵を描くことが好き」といってくれる方も多く、日頃「絵を描いている」とか、「映像を撮っているので、絵にも興味があります」という学生さんもいて、今日はとっても楽しみにしてきました!と、積極的な意見や質問があり、凄いなぁと感心するばかりでした。
今回は2回に渡っての授業でしたが、デッサンについてや、アートの持つ可能性について、私がデッサンスクールを立ち上げた経緯なども交えてお話させていただきました。
もう一度「見る」ということについて考える
デッサンでは「見たままを描く」ということを伝えているのだけれど、「見たままに描く」ためには、「見る」ということができていないと描けません。
そこで、もう一度「見る」ということについて考えていただきます。
普段、自分がどれだけものを見ていないか、ということをワークショップを通して体験していただきます
すると、皆さん「見ていない」という事実を知り、更に「見ようとしていない」ということにも気がつき、とても驚きます。
デッサンスクールの受講生の中にも、この「見たままに」というところでつまずく方が結構いらっしゃいます。
いわゆる「思い込み」というやつです。
これは「思い込みなんじゃないか?」って、常に自分で注意していないと、気が付けないことが多いです。
私自身も、「あー思い込み激しいな・・・。気をつけないと。」と、事あるごとに感じていますが、皆さんも絵を描くことを通して体感すると、改めてハッとするようです。
自分がみている世界は、実は他人からみたら全く別のものである。決して同じではない。
他人を知り、自分を知ること。そこから創造性が生まれる。
実は、この「他人を知ることは、自分を知ること。」
ちょっと哲学のような感じでもありますが、ここをしっかりと見つめることが創造性の第一歩なような気がします。
自分とは違う他人の視点を知ることになったり、新しいことに気付けると思うのです。
「自分がみているものは何か?」
そして、自分の感性を大事にするということ。
デッサンを見ていると、同じモチーフを描いているにも関わらず、仕上がる絵は、不思議とひとりも同じにならないのです。
私は個性って溢れ出るものだなーって思っています。
人も同じで、隠そうと思っても、個性って出て来ちゃうんですよね。
それで良いと思うんです。
隠さなくていい。
違うからこそ、他の視点に気がつくことができる。そこから、新しいものをうみ出せる。
そう思うのです。
いろんなメッセージを伝えられたらな、と思いながら講義をさせていただきましたが、みなさんの感想をみてみると、やっぱり実技に対する興味が高いようでした。笑
というか、描く時間が足りなかったですね・・・。
次回、もしも機会をいただけるのであれば、実技をもっとガッツリ組み込みたいなぁと思っております!
アートはジャンルを問わず、あらゆる分野に必要なものだと考えています。
日頃、工学系などアート以外のことを学んでいる学生さんたちにとっても、今回の講義が何かしらお役に立てていたら嬉しいなぁと思います。
貴重な機会をいただき、ありがとうございました。^^