いよいよ10月に入りましたね。
芸術の秋。
美術館へ行ってみよう!と、展覧会情報をチェックしている方も、いらっしゃるかも知れませんね。
そこで、今回は「鑑賞の仕方」について、書いてみようと思います。
鑑賞というと、「歴史を学ばなくっちゃ」とか「私はセンスがないから〜」
何が良いか全然わから無いんです〜」なんて、つい思ってしまった方、案外多いのではないでしょうか?
大丈夫ですよー♪(^ ^)
近年の教育事情を伺いたくて、先日、私の小学校の頃の恩師にお会いしてきました。
30年近く経った今も、東京都内で図工の先生をされているのですが、実はここ10年程の間では「鑑賞」に力を入れるカリキュラムを組んでいるとのことでした。
鑑賞というのは
・モノや作品をみて、作者がどう感じているのか?
・自分が自分の経験と重ねて、どう感じるのか?
こういった点について、皆んなで意見を出し合うそうです。
「作者がどう感じているのか?」については、「作者はこんな風に感じていたんじゃないかな?」と思いを巡らせて見ることも楽しいですね。
子供であれば、大人以上に自由なイメージがどんどん出てくるかも知れません。
自由な発想に慣れてい無い場合は、作者本人のコメントやアーティストトークなどで直接考え方を聞いてみるのも面白いですし、
歴史的な背景や文化の違いによる解釈の違いについてなど、書籍や学芸員の方が解説してくれている場合もありますので、
そういったものを参考にしてみると、少しづつ見えてくる世界が広がってくるのではないでしょうか。
そして、もう一つの「自分がどう感じるか」については・・・【全て自由】です!
たくさん感じるモノがある場合、そうでない場合があるかと思いますが、それは、人それぞれの経験が違うからです。
自分の経験と照らし合わせて、きっとこんな風に感じて描いた作品なんじゃないかな?って思ったり、同じモノをみても、感じ方は人それぞれ。
だからこそ、他人の意見を聞くことで、「視野が広がる」という経験ができるのです。
一人の美術鑑賞も大好きですが、そういう意味では、誰かと意見を交わしながらの美術鑑賞も面白いですね。
自分の感じた気持ちを「言葉に出来る」ということ。
間違えも正解も無い美術だから出来ることだなぁと思うのです。
「鑑賞の仕方」なんていうと、「そんなもの必要無い!」というご意見が出てきそうですが、恐れずに、更にもう少し。。
「自分の気持ちがどんな風に感じたのか」
心の動きを観察するのにも、美術鑑賞が役に立ちます。
絵を描きたいアナタであれば、
「こういう絵に感動したな。」
「ああいう絵は好きじゃないな。」
「あの絵のあの部分、カッコイイから真似してみよう」
といった見方になるかも知れませんね。
因みに私は、画廊をしていた時の習性で、ついつい展示の方法に目が行ってしまいます・・・(笑)
「作品に対する額やマットの間の取り方や、素材、色のセンスがどうか?」とか、「壁に対する作品の配置バランスがどうか?」とか、「キャプションの位置」も気になりますね・・・
あと「光の当て方」も・・・(笑)
自分の作品展するんだったら、こんな展示の仕方が良いな。こんな額に入れて飾ったらどうだろう?
と、こんな見方もあるかも知れませんね。
日頃なかなか美術館に足が向かない・・・という方にとって、少しでも参考にしていただけたら嬉しいなーと思います