あなたが描きたいモノはなんですか?
もし、描きたいモノ、描けるようになりたいモノが明確であるのならば、それをどんどん描いてみてください。
私は、もともと四季折々の植物や風景が描かれている日本画が好きで、美術大学では日本画の勉強をしていました。
なので、今でも花や植物の色や形に心惹かれ、よく描きます。
美術予備校時代には、入試での出題が予想されるモチーフを沢山練習しましたが、
ここでも「花」のモチーフを何度となく描く機会がありました。
花を描いている時、講師の先生が言っていた言葉がすごく印象的で、未だに覚えているのですが、
先生:「俺は花を見て不気味だなって感じるんだよね・・・」
私:「え?、花を見て不気味って思う人がいるんだ!!」
その時の言葉は、当時の私にとって衝撃でした(笑)
それから先生は「女性は花を描くのがうまいよね。男は花に興味がないから下手なんだよね〜」と・・・(笑)
勿論、男性でも植物が好きな方は沢山いますし、絵だって上手な方を沢山知っています。
あくまで、そういう「傾向がある」という話なのですが、面白いな〜と思います。
多くの女性は「花」といえば、「美しい」「綺麗」「かわいい」「もらったら嬉しい♪」「部屋に飾ると気分が良い」などと、プラスなイメージを思い浮かべるのではないでしょうか?
これって、結局は「好きなものは、うまく描ける」という事に繋がるのかなと思うのです。
もう少し突き詰めて考えていくと、興味があるものは、目に触れるチャンスも多いし、良く観るし、細部の構造まで理解しているということなのかなーと。
例えば、息子の友達で虫が大好きな男の子がいます。
愛読書は昆虫図鑑(笑)
当時は幼稚園児でしたが、虫の絵がめちゃくちゃうまかったです。
実際に捕まえてしっかり観察もしているから、構造もきちんと理解しています。
車やバイクが好きな子は、車やバイクの絵が上手です。
そればかり描いているから、ますます上手になります。
逆に普段から車やバイクに興味が無い人にとっては、これがどのように機能するための部品なのか?
といった、構造に対しての知識が弱く、必然性がわからないので、平気でズレた場所に描いたり、細かい部分は面倒になって簡略してしまったり・・・と、曖昧に描いても、あまり気にならなかったりします。
だから間違いにも気がつかない。そんなものです。
人の興味は千差万別なので、描きたいものもそれぞれです。
やはり楽しんで「自分が描きたいものを描いてもらう」というのが一番良いスタンスかなと考えています。
それから、時々添削講師から、基本から学んだ方が良いですよ。とアドバイスを貰うことがあるかもしれません。
少し混乱するかも知れませんが、やはりいろいろなタイプの方がいらっしゃるので、理屈をしっかり学びたい人には、「なぜこうなるのか?」を基礎から積み上げていく方が良い場合があるのです。
その場合には、同じ好きなモチーフのジャンルの中から、形ができるだけシンプルで簡単そうなもの、あまり複雑ではないものを選ぶようにすると良いですね。
ピアノを習う時に「この曲が弾きたいんです!」といって、その曲だけ練習するという話を聞いたことがありませんか?
「結婚式でこの曲をプレゼントしたい」とか、「この曲が大好きで、ずっと憧れていて、ピアノで弾けるよになるのが夢でした」といったケースです。
ピアノの楽譜にも、同じ曲であっても「アレンジしてある簡単な楽譜」と「原曲のままの難しい楽譜」がありますが、
・難しくても、原曲を極めるか。
・簡単でも弾くことを楽しむのか。
どちらを選ぶか?といった感じです。
基本のわかりやすいモチーフから入って、徐々にステップアップしていくことも大切なのですが、人によっては難易度の高いものでも、繰り返し描いていると、結構描けるようになってきちゃう場合もあります。
その代わり、難易度が高いものを描くときのポイントとしては、一度描いてうまく行かなくても、諦めずに「繰り返し描く」という姿勢を忘れずに。
繰り返しといっても、添削で指摘された部分などは、次に描く時にはちゃんと思い出しながら描いてくださいね。
そうでないと上達にも時間がかかります。
いずれにせよ、キーワードは「楽しんで」ということですね♪
モチーフ選びの参考にしていただければと思います。