先日、前から行ってみたかった「ジブリ美術館」へ行ってきました。
オープン当初はすごい人気で、チケットがなかなか取れなかったのを覚えていましたが、人気は今もなお健在で、完全予約制にも関わらず、多くのお客さんで賑わっていました。
しかも半数程度は外国人の方だったのも印象的で、やはり、世界のジブリなんだなーと再認識しました。
常設展とは別に、今やっている企画展示では、「食べるを描く」というタイトルで、ジブリ映画の「食」に対する拘りを存分に観ることが出来ました。
とても興味深かったので、今回は「食」の表現について、デッサンの観点から見た感想をシェアさせていただこうと思います♪(^ ^)
今まで何度となく見てきた映画の中の「食べる」場面。
例えば「箸の持ち方」に着目してみると、「箸の持ち方」は正に人によって千差万別なんだなぁということにも改めて気付かされました。
ジブリ映画の登場人物は、子供からお年寄りまで様々ですが、箸を持つ手の質感、持つ時の指使い、食べ方を観るだけで、その人の性格までが伝わってきます。
人物画を描く時に「手が大事」とよく言いますが、実際に手がきちんと描けているかどうかで作品の完成度が変わってきます。
美大の入試でも「手」のモチーフは出題されますが、「手」をきちんと描けていると、デッサン力ある人だなぁと判断されます。
しかし、複数の人物の「食べている様子」をデッサンする機会というと、あまり無いのではないかと思いました。
因みに、映画に出てくる主人公の中から幾つか特徴をあげてみると・・・、
「もののけ姫」に登場する男の子「アシタカ」の食事シーン。
姿勢を正し、片手でお椀を持ち、箸使いも美しい。
礼儀正しく賢そうな感じ。
「となりのトトロ」のサツキちゃんは、小学生の女の子。
朝の学校へ行く前の慌ただしいひととき、急いでご飯を食べるシーン。
お茶碗をガッと掴み、箸を持つ手もなんとなく力強い。
決して、もの静かなか弱い女の子という感じではなく、「健康的で元気いっぱいな女の子!」という雰囲気が伝わってきます。
「崖の上のポニョ」に出てくる、主人公「ポニョ」は、確か5歳という設定でしたがお魚から変身した女の子なので、箸を使い慣れていないからでしょうか?
2本の箸をグッとつかむように持って、インスタントラーメンを食べている姿がとってもかわいいのです。
どれもジブリの代表的な作品の主人公ですが、皆さんそれぞれのキャラクターの「食べている様子」が思い浮かびましたか?
アニメやイラストを描くという方にとっては、人物像の詳細な設定というのは、比較的慣れている作業かも知れませんが人物デッサンをこれから描きたいと思っている方は、毎回同じ描き方をするのではなく、
描き始める前にモデルの持つ印象を書き出してみるのも良いですね。
デッサンの場合には、できるだけイメージに囚われず、正確に対象を描くことが大切、と日頃お伝えしていますが、モデルの雰囲気に合わせて「こんな風に描きたい」
というイメージを持つことも時には必要だったりもします。
見る側の視点としては、このモデルは「こいういう手をしているから、こんな人なのかな?」と「手」の持つ印象からイメージを膨らませることも出来ますね。
正確なデッサンを学ぶ中でも自分なりのストーリーを描き、最終的には「自分がどんな表現をしたいのか?」を想像することは、とっても大切だし、楽しいことだと思いますので、是非、やってみてくださいね ♪(^ ^)