「補完」の威力を知ることで、戦略的にデッサンを仕上げることができます
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人間は、不十分なところに目がいきます。

 

また、人間は曖昧で不十分な部分を補うために、脳で補完をしています。

例えば、目の検査をする時、円の一部が欠けていると、そこを見てしまいます。

 

四角いレンガの一部が欠けていたら、やはりそこに目が行くのです。

この法則を、絵を描く時に活かします。

 

要するに、そこに敢えて目を引きつけて注目するように、画面を構成するのです。

 

例えば先ほどのレンガの例で言えば、敢えて、目が行く「不完全な部分」を、丁寧に丁寧に描くのです。

 

不完全な部分というと、ちょっと欠けていたり、ヒビが入っていたりするところです。

 

すると、レンガの中身がどうなっていて、素材は何で、質感はどんなで・・・と、
それがレンガらしい要素を伝える情報にもなるのです。

 

そして、その「一部」を見ることで、その他の部分も勝手に補完し想像するのす。

 

それともう一つ。

 

「補完」の性質を活かすためには、全部を同じように一生懸命描いてしまってはダメなのです。

 

どこに注目したら良いのか分からずに、目の行き場に困るからです。

 

一部を集中的に描くことによって「補完」の威力が発揮されるのです。

 

と、これはプラスの側面から見た要素なのですが、マイナスの側面としては、「曖昧で不完全なところ」=「未完成のところ」に目がいくということなので、逆に描くべきところをしっかり描いていないと、そこに目がいってしまいます・・・。

 

その他の部分であっても、最低限の気にならないくらいの描写が必要です。

 

描き過ぎてもダメ、描かなすぎてもダメ・・・

 

悩ましいですね・・・(笑)

 

しかし、描かないで完成度の低い作品になるよりは、描き過ぎて最後に消して調整するくらいが良いですね。

 

失敗した経験を積むことで、ちょうど良いさじ加減が見えてきますので、初めの頃は、恐れずにどんどん描きましょう。

 

どれだけ失敗しても、また立て直せるという自身にも繋がりますよ!

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