あなたは絵を描く時に「魅せ場をつくる」ということを意識して描いていますか?
これは、画面の中で「一番魅せたい」と思う部分が「ストレートに伝わるように描く」という事ですが、いきなり出来る方はそうそういません。
だんだんと上達して、描写力がついてくると、「とにかく隅から隅まで全部描く」という経験をし、「全部描いたら完成でしょ?」「次はどうしたら良いですか?」と聞かれる事があります。
確かに「全部描いたら終わり」ですよね。
分かります。
私もそう思っていたから!
私もデッサンを習っていた当時、先生から「ただ描いただけだよね」と言われ、なんの事か理解できずに悩んだことがあります。
「描けているんだから良いじゃん!」と。
しかし、これには理由があります。
「あなたは何を魅せたくて描いたの?」
「この絵を描く事で、何を伝えたかったの?」
ということを、先生は伝えたかったからなんです。
せっかく時間をかけて「全部」を描いたのにも関わらず、
全部を描いたが故に、
全部が主張しすぎていて、
結果的に見せたいものが見えてこない、
窮屈で見難い絵になってしまっていたんです・・・。
例えるなら、柄物のシャツに、柄のパンツを履いて、柄の靴下に柄の靴。
そして柄の帽子を被りってる。という感じでしょうか?(笑)
ちょっと近寄り難いですね・・・汗
ではどうしたら見やすくなるのかと言うと、「描き過ぎた部分をおさえる」と言う作業をします。
この「描くこと」と「抑えること」の足し算と引き算の駆け引きを、画面の中で繰り返すのです。
「柄のシャツをメインにするなら、パンツは無地にしとこうか」という感じですね(笑)
しかし「描いたものを抑える」といっても、消すということではありません。
濃い部分は練りゴムで少し上からトントンして、色味を抑えたり、コントラスト(明暗の対比)を和らげることをしてみると良いですね。
これ、画面全体のバランスの取り方がわかってきたら、描くべき所(魅せ場)と、描かずにバランスを見ながら進めるべき所とで、始めの段階で、見極めができるようになって来ます。
すると力の入れ具合を調節出来るので、効率良く仕上げられるようになります。
とは言え・・・
楽をして「描かないこと」を先に学ぼうとすると、消極的な弱い絵になってしまいます。
ですので、まずは「描き過ぎる」という経験を積んでください。
何からやったら良いか分からないと言う方は、まずはとにかく「描写力」を付けましょう。
分かってしまえば簡単な事なのですが、まずは、この「隅から隅まで「描き切る」ということがどういう事なのかを経験することも、「魅せ場」について学ぶ上で、大切な過程だったりします。
力の抜きどころを覚えると、少し楽に描けるようになると思いますよ♪
あなたが本当に描きたいものは何ですか?(^ ^)