この記事の目次
No.3132 基礎添削 第1回の添削お願い致します。 ミッキー
【添削回数】1回目
【年代】70代
【モチーフ画像番号】基礎添削画像No.4 りんご
【練習方法】右脳トレーニング
【制作時間】OLYMPUS DIGITAL CAMERA1時間
【描く力を身につける目的】老後の趣味として始めた油絵ですが、やっと大きな公募展に数回入選し、また本格的なギャラリーで個展を開催することができるようになったのですが、この段階になって改めてキホンであるデッサンをしてこず、これを抜きにしては改良を望めないことが実感され、基礎からデッサンをしようと意気込んでいます。
【気をつけたこと】基礎添削のりんごを描いてみて、10年前に油絵を始めた時の気持ちがよみがえってきました。
何に気を付けたというより、とにかく良く見て真剣に描きました。
【質問】今の時点では、よろしくお願いします、、としか言うべき言葉がないです。
たった1度の復習添削で、まったく違う作品になりましたね!
特にりんごのくぼみの表現がお見事です!
復習添削については、こちらの記事をご覧くださいませ。
No.3143 基礎添削 りんご・添削いたしました ピリカアートスクール山田
作品拝見しました。
添削をさせていただきますピリカアートスクールの山田と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
公募展の入選や個展を開催されているなんて、素晴らしいですね!
絵を描かれているだけあって、今回のモチーフの「赤い」リンゴをしっかりと「濃く」表現されているのはとても良いです。
初心者の方の場合は、どうしても明るく表現してしまいがちなのですが、よく陰影・コントラストを捉えていると思います。
ではポイントごとに説明させていただきます。
図①②③をご覧ください。
作品はりんごの中心軸の傾きについては、ほぼ正確にとらえることが出来ているのですが、りんごの膨らみが足りないのです。
特に中心軸から左半分に、もっと膨らみがほしいところです。
右半分についても、中心部辺りにもう少し膨らみを持たせたいところです。
次に図④で、りんごの上部を比較してみてください。
作品には残念ながら、りんごの最大の特徴と言ってもいい、芯のある部分のくぼみがあまり感じられないのです。
作品は芯の付け根の部分がやや凹みがあるようにも見えますが、この凹みはぐ~っと落ち込んでいるように描かなければなりません。
芯の位置も左に寄りすぎています。
芯は深いくぼみから立ち上がっていて、りんごの実は図④の白い点線のような曲線で膨らんでいます。
このような形状をデッサンで表現しなくてはなりません。
作品は芯の太さ・長さ・色の濃さも、モチーフとはかなり違っていることに気づいていますか?
「りんご」は誰でもが知っているなじみのある果物ですから、多くの人はりんごの絵なんて、りんごを見なくてもある程度ささっと描けてしまいます。
「よく知っているモノ」という意識がどこかにあると、どうしても目の前のモノの観察が疎かになりがちです。
よく観察しているようで、ほとんど見ていない状態・見てみずの状態になることがありますから、注意深い観察が必要です。
例えばモチーフとして「タラの実」があったとします。
多分見たことがないのではないでしょうか。
全く初めて見るモノ(モチーフ)は、本当によ~~く観察するはずなのです。
どんなになじみのあるモノであっても、置かれている状況や光の加減などでいろいろな見え方になるのです。
シンプルなりんごのモチーフですが、よく意識を集中して観察するようにしてください。
陰影について
作品を濃いトーンで仕上げられていることはとても良いのですが、ほぼほぼ濃さが均一でトーンの変化が少ないために立体感がいまいち表現しきれていないのです。
ここでまた図④をご覧ください。
作品は、ややぼわ~んとぼやけています。
濃い薄いの差をつけて描かれていますが、メリハリがないのです。
芯はグッと濃く、くぼんでいる部分はやや暗い部分から明るい部分まで微妙なトーンのグラデーションで表現します。
そしてその中で黄色の丸印辺りはグッとトーンを落とし、黒丸部分は光の反射で明るく表現します。
作品もそのあたりの陰影・濃淡の違いは表現されているのはわかります。
しかし、黒丸の反射部分の「明るさ」の位置が全く違っています。
この明るい部分のすぐ上が、りんごのくぼみになるはずが、作品ではくぼみがない。
もっともっとよく観なければなりません。
さらに、作品はガサガサ、ザラザラとした質感になっています。
ほぼ一本(一種類だけの)鉛筆を使っていませんか?
りんごの繊細な質感を表現するには、H~4B位の鉛筆を使い分けてみてください。
濃いめの鉛筆一本だけで描いていくと、ガサガサの表面質感になってしまいます。
するするサラサラした表面の質感を表現するには、もう少し硬い鉛筆で芯の先端部分を使いながら、繊細なタッチを重ねたり、部分的にこすってボカシを入れたり工夫しながら描いてみてください。
影について
図①をご覧ください。
Jからの光に対しては、Hの範囲が影になります。
Kからの光に対してはFの範囲。
そしてGはどちらからの光も当たらない部分です。
影はこのような光の当たり方でできていることをよく理解しておく必要があります。
図⑦では三角形の影の部分の範囲が広すぎます。
この影の範囲があまり広くなると、りんごの下部が背景に縦の面に貼りついているような感じに見え、非常に平面的に見えてしまいますから、注意してください。
どんなにりんごを立体的に上手く表現できていても、影の描き方がまずいと、作品は台無しです。
図⑥のK,図⑦のFを比較しても、濃くする範囲が作品の方が広すぎるのです。
このような部分も全然観察することが出来ていないと思っておいてください。
「影だから濃い範囲を作っておけばいい」のではありません。
影の範囲や大きさ、微妙なトーンの変化・ボカシなど観るべき部分はたくさんあるのです。
日頃から「絵」に接していても、意外と見えてない、見ていないことはあるものです。
さらにさらに意識を集中して、よく観察して作品を描きあげるようにしてください。
「観る」ことに慣れてくれば、上達は早いと思いますよ^^
※ミッキー様は、今回「新プラン3」にて、ご受講いただいておりますので、復習添削をご提出いただくことができます。
同じモチーフをお描きいただき、こちらに再度掲載いただきましたら、再度復習添削をいたします。
どうぞ宜しくお願い致します。
復習添削を受けて ミッキー
この間初めての添削をお願いして、改めてデッサンに対する意識のなさに気づきました。
真剣に描いたつもりでしたが、まるでなっていませんでした。「画像のこの辺は全体的に黒くて良く見えないから、この程度の黒さで描いておけば良いだろう」などと思って描いた箇所は、余すところなく全て指摘されていました。気を入れ直します。
たった1度の復習添削で、まったく違う作品になりましたね!
特にりんごのくぼみの表現がお見事です!
松原美那子より
1度目と2度目の作品を並べてみました。
たった一度、解説を聞いただけで、ここまで変化があるのが素晴らしいと思いました!
ここまでしっかりと描写ができていますので、「見ること」がわかれば「描ける」のだと思います。
もう少しだけ、ポイントをお伝えしておきますので、参考にしていただければと思います。
まず、モチーフと比べると形の印象が違う点が気になりました。
全体的に少し縦長な感じがします。
①の図をご覧ください。
作品にモチーフの輪郭線を当てはめてみると、左側の量感が少くないことと、右上部分が上に大きく伸びている点が違和感を生んでいるのだと思います。
再度ご確認ください。
それから、凹みの部分ですが、少し上に描かれています。
これによって、りんごを見ている視点が違ってしまっています。
モチーフの視点よりも、少し下から見上げている状態に感じられます。
また、それに伴って、底面の回り込み部分も見え方が変わってきます。
こちらの記事の「円形のパース」も参考にしてくださいませ。
それから2回目の添削も拝見しましたが、モノが置かれているテーブル面にも意識を向けていかれると良いと感じました。
こちらのリンゴのモチーフも、右側にある影を描かれていることもあり、左側が地面から少し浮いているように見えます。
ライトの加減で少しわかりにくいのですが、真下に落ちている陰影も観察することができます。
テーブルの面を描くのと同時に、上から落ちる影も表現してみてください。
尚、その際には鉛筆を動かす方向を水平面に沿って動かすと、水平な面を表現することができます。
慣れてきたら鉛筆の方向は自由に変化を持たせていただきたいのですが、慣れるまでは水平が分かりやすいと思いますので、②の図を参考にしてみてください。
それから、輪郭が全体的にぼやけているのが気になりました。
遠近法を意識してか、周りの空間に馴染ませているのだと思うのですが、形をぼやかすのではなく、その場所ごとにあった色でしっかりと形を描き起こすようにしてみてください。
そうすることで、絵に強さが加わると思います。
この辺りのことは、少し上級向けのお話になりますが、制作活動をするなかで、背景に色をつける際などに役立つと思いますので、意識してみてください。色味についてや、りんごの皮の質感などはとても綺麗に描かれています。
基本の形の取り方が理解できてくると・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。