しかも、その多くが、無料で閲覧できてしまいます。
数十年前の私の美大時代には考えられないことです(笑)
なんて、便利な世の中なのでしょう!
これだけの環境が整っていれば、絶対に上手くなる!!
と言いたいのですが・・・
しかしながら、これだけの環境があって、いくら素晴らしいデッサン上達法を読んでも、動画を何百本見ても、デッサン力が身につくことはありません。
なぜならば、受け身でいくらインプットしても、実際にやってみるというアウトプットをしなければ人は上達することができないからです。
「頭で理解したものを、どうやったら実践で活かせるのか?」を実際に自分でやってみることで、初めて気がつけることがたくさんあります。
こちらのリンゴの絵をご覧ください。
一番左側がモチーフのリンゴです。真ん中の絵は受講生が「最初に描いたリンゴ」です。
わけではありません。
一番右側のリンゴの絵は、真ん中の絵を描いた後に「一気に上達してしまう魔法」をお伝えし、直後に描き直していただいたリンゴです。
いかがでしょうか?同じ人が描いたとは思えないくらい、まったく違う絵に見えないでしょうか?
一気に上達しているように見えませんか?
繰り返しますが、何か月も練習した後に描いたわけではありません。
今回は、この誰でも簡単に「一気に上達してしまう魔法」をズバリ!お伝えしたいと思います!
この記事の目次
人間が記憶するための「鉄則」をご存知ですか?
人間が何かを記憶するという時に、避けては通れない鉄則があります。
私たちは、普段から無意識にそのプロセスに沿って記憶をしています。
まずは、記憶するための鉄則を理解しましょう。
人間が情報を「記憶」するプロセスは、大きく分けて2段階あります。
- 情報を仕入れる
- 仕入れた情報を定着させる
この情報を仕入れて、定着させるというプロセスを踏むことで、 人間は「記憶」をしています。
記憶するためには、まずはじめに情報を仕入れなければいけません。
仕入れる時の作業というのは、音を「聞く」、文字を「読む」、画像を「見る」という行動ですね。
例えば、
「5×8 = 」・・・と聞かれて、「うーん」と考える方はあまりいないと思います。
もう何十年も前に覚えたことなのに、 記憶に定着している「40」という数字がすぐに口から出てくることでしょう。
九九の練習を思い出してください。
1×1、1×2 ・・・2×1 2×2・・・8×1・・・9×9
と、書いてある文字を読みながら、何度も何度も口に出しているだけで、いつの間にか、何十年経っても忘れないように記憶されています。
なぜかというと・・・何度も何度も聞いて、口に出す。
九九の数字を「読み」、自分で自分の声を「聞く」、 そして、それらを繰り返す行動が、人間が記憶する最高の覚え方なのです。
スラスラとカラオケが歌えるのはどうして?
「テレビCMで好きになった歌のCDを購入し、何度も何度も繰り返し聞いていた。 100回以上は聞いていたと思う」
どなたにもこんな経験があると思います。
では、「今、その歌を何も見ないで歌ってください」と言われたら・・・
一言一句、間違えずにスラスラと歌詞が出てくるでしょうか?
意外と歌詞がでてこないです。。
あんなに何度も繰り返し聞いていたにも関わらず、いざ、思い出してみると歌詞はなんとなくしか覚えていないものです。
「あの曲がり角 を 」だったか・・・「あの曲がり角 に 」だったか・・・?
好きだったあのフレーズは、1番の歌詞だったか、2番の歌詞だったか・・・?
でも、一方、カラオケで歌おう!覚えよう!と、歌詞カードを読みながら、 歌って覚えた曲はいかがでしょうか?
それほど、多く繰り返し聞いていなかったとしても、今でも、リズムに合わせて歌詞がスラスラと出てくるのではないでしょうか?
この二つの記憶の大きな違いは、「受身的」か「主体的」という違いなのです。
「聞く」作業だけでは受身的になりがちで、聞き流しになりがちです。
そのため、CDで音声を聴きまくるだけでは、「声を出さないで歌の練習をする」ようなもので、実は、あまり効率よく記憶することができません。
情報を定着させるためには、仕入れた情報をアウトプットする「主体的」な行動が必要です。
アウトプットとは、 仕入れた情報を「話す」、「書く」という行動です。
このように、 情報を正しい方法で仕入れてから、アウトプットすることで、記憶に定着されます。
CDで聞き流していただけの曲よりも、 歌詞カードを見ながら、同時に口に出して歌っていた歌の方が、今でもスラスラと歌詞が出てくるのは、 そのためなのです。
また、デッサンの動画だけをたくさん見まくっても上達できないのは「受身的」だからです。
人間は忘れる生き物です
CDの話では、昔覚えた歌詞がスラスラ出てきていたのに、
5日前の夕飯は何を食べたか?は思い出せない・・・・。
これは、人間の脳は、必要な情報だけを記憶し、不要な情報は忘れていくようにできているからなのです。
残念ながら、5日前の夕食というのは、多くの人にとって「絶対に覚えて置かなくてはならない必要な情報」ではないため、どんどん忘れていってしまうのです。
そうなんですよ。私も何でも良く忘れてしまうんですよね・・・笑
では、記憶の仕組みに関して脳科学的な視点からも少しお話しますね。
あなたも、こんな暗記方法を実践されたことはないでしょうか?
「毎日3ページずつ覚えよう!」
10日で30ページ、30日で90ページ、3か月で300ページ覚えられる!!
こんな風に考えた経験はありませんか?
実は、この方法は、多くの方がやっている必ず挫折する方法なのです。
この覚え方では、詰め込んでは忘れての繰り返しなので、覚えるのがつらくなり、 更に言えば3か月で300ページでは時間のかかり過ぎです。
そもそも、1ヶ月経った頃には1日目に覚えたページのことは忘れてしまっていませんか?
脳の中には、入ってくる様々な情報の中から、 「長期記憶」に “する” か “しない” を判断している 「海馬」という器官があります。
その海馬が「長期記憶」にする情報というのは、 簡単にいうと「何回も繰り返し来た情報か?否か?」なのです。
1日3ページというように、超短時間で何度繰り返しても覚えたことは、短期記憶にはなりますが、長期記憶にはなりません。
つまり長期記憶にするには、何度も何度も「同じ情報」を脳に送り込めばいいのです。
逆にいえば、何度か繰り返すという作業をしない限り、長期記憶にならないのですね。
だから、「毎日3ページずつ進めて、 3か月で100ページ」なんてことは、机上の空論であり、 脳が長期記憶する原理的に無理があるということになるのです。
九九の練習を思い出すと、それにぴったり当てはまります。
毎日、毎日、小学校で繰り返し、情報を脳に送り込んだことによって、脳は「何度も何度も情報を送ってくるってことは、この情報は大事なんだなー」と判断し、 脳の長期記憶である海馬に、その情報を保存してくれたのです。
このように、繰り返して、一度身につけたモノは「長期記憶」に蓄積されるので、5年10年経っても覚えているのです。
ですから、せっかくここで学ぼうと決めて、ご縁をいただけた方には、デッサン力が身につくまで取り組んで欲しいと、本当にそう思っています。
そこで、どうすればデッサンが上達するのかを日々真剣に考えていますが、やはり「復習を強化する事」が一番大事であるということに辿り着きました。
今までの受講生の中でも、飛躍的な結果を出している受講生達を、改めて見返し、どんなペースで学習しているのかを分析してみました。
するとやはり能動的な姿勢で短期間の間に「復習をしっかりしている」受講生は圧倒的に上達されていたのです。
復習(アウトプット)することで、初めて知識、技術が身につくのです。
「一気に上達してしまう魔法」とは・・・添削アドバイスで得た新しい情報を使い「加筆修正」もしくは「もう一度同じモチーフを描いてみる」、アウトプットということです。
上達の方法は、とてもシンプルですが、効果は絶大です。
では、実際に、もう一度同じモチーフを描いた受講生の作品をご覧ください。
一気に上達する復習添削アドバイスの効果とは?
ピリカアートスクールの一気に上達するための「復習添削アドバイス」は、添削アドバイスで言われた事をきちんと理解し、落とし込めているかどうかを毎回講師がチェックします。
今まで、せっかくしてもらった添削アドバイスを、読むだけで理解したつもりになっていた人が多いのではないでしょうか。
実際に復習をした方の声を聞くと、やはり理解度が全く違うと感じます。
実際に作品をご覧いただくと、「添削アドバイス」にプラスαの「復習添削」って凄い!とご理解していただけるのではないでしょうか。
作品例1 たった1度の復習添削で安定感が変わりました!
ヤナヤナ様 パース・建物
■気をつけた点など:パースを意識して描きましたが屋根の傾斜、玄関部分の出っ張り等
パースは苦手意識をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
この方は、パースに苦戦して、何度も描き直しながら仕上げてくださいました。
パースは、解説書を沢山読んで練習してみても、自分の絵にいかすにはどうしたら良いのか?が、皆さんなかなか分からないのです。
しかし、パースの専門講師の添削アドバイスを通して、ここまでご理解いただけました。
ピリカアートスクール御中
お世話様です。第2回目の建物の添削ありがとうございました。今回改めてパース基礎編の「2点透視を使った描き方」を読み返し添削の内容と見比べながら描きました。その中で消失点が用紙からはみ出してしまいますので用紙内で決める場合、基礎編での説明では判り難いので具体的にこの場合どのように決めていけばよいのかご教示願えればと思います。その他トーンについてはいかがでしょうか。
以上よろしくお願いいたします。添削内容について多少理解できない部分があってもこのように再度質問出来る事によってより理解が深まります。
作品例2 たった1度の復習添削でリアリティーが変わりました!
・作品例② W様 人物
・デッサン力を付ける目的
漫画が描けるぐらいの画力を身につけたい。旅行先の風景を絵で描きたい
・制作時間 合計4時間ほど
復習された作品を、1度目の作品と並べてみましたが、存在感が増し、人としてのリアリティがかなり出てきたと思います
人物として、かなり自然な表現に
添削前の作品は、表面の形を追っている状態で、中身の人体構造が表現できていませんでした。添削でお伝えした内容を理解し、観察すべき所が分かると、ここまでリアリティが出て来るのです!
もっともっと良くなりますが、ベースとしての「見かた」や「考え方」は出来てきていると思います。
作品例3 補助線の書き方がすごく参考になりました!
・作品例③ Nanny様ピーマン
【年齢】40代
【制作時間】1時間30分
【描く力を身につける目的】絵本を描きたいため。また「正しく観て、表現する力」をつけたいため。
【気をつけた事】立体的に描けるよう意識し、光と影の陰影が表現できるよう気をつけました。
【質問】
勉強し始めてまだ1週間足らずですが、何枚描いても上達が見られなかったため、アドバイスを頂きたく思い切って添削をお願いすることにしました。
「正確に観る」ということが自分にはまだ不得手のようで、どうしてもモチーフ通りのスケッチになりません。何度消してやり直しても、「どこか違う…」という感じになってしまいます。どうすれば正確にモチーフを捉えることが出来るのか、ご指南頂ければ幸いです。
また、ピーマンのような滑らかな質材をどのように表現すればよいでしょうか。まだまだ全体的に未熟な部分ばかりですが、頂いたアドバイスを元にこれからトレーニングを積んでいきたく思っておりますので、何卒よろしくお願い致します。
左が初回の添削作品、右が復習後の作品になります。
ーーーーNanny様からのご感想ーーーー
お世話になっております。
添削アドバイスを頂き、誠にありがとうございました!拝見していて、「そうか! なるほど~…」と、目からうろこになるようなご意見ばかりでした。山田先生のアドバイスにあった「全体がぼわ~んとぼやけたようになる」というのは、私も気づいておりました!
「なんか…他の受講生さんと比べて私のデッサンは『あの世』にあるようなホワワンした感じに見えるけど、何故だろう??」と首を傾げておりましたので、ご指摘に「なるほど!」と納得しました。
中学時代、美術の先生から「あまりこすりすぎると、絵が冷たい感じになる」と言われ、その時は「冷たい?? 冷たいってどういうことを言うんだろう?」と分からないまま終わってしまいましたが、今にして思えばその先生も山田先生と同じことを仰りたかったのかもしれません。
それから、補助線の書き方がすごく参考になりました!
なのですが…描く段階で「まず補助線の描き方自体、何か間違えてない???」という手応えで…(涙涙涙)
線が歪んでいたり、丸がいびつだったり…これはもう訓練していくしかないなぁという感じです。
デッサンは「道が開けた!」と思うとまた壁、それを乗り越えてもまた壁があるんだろうなぁ~(遠い目)。人生みたいなものですね(笑)。
アドバイスを参考に、もう一度同じモチーフを描いてみました。
補助線を書いたおかげで、すこ~しだけ現物に近づけた気がします(笑)。
ただ、途中で陰影をつけていてだんだん自分が何を描いているのか分からなくなり、迷子になっちゃっているのが絵から伝わってしまうかもですが…;
一度アドバイスを頂けたので、これからの練習にとても参考になります^^
どうもありがとうございました!
今後とも、宜しくお願い致します。
この受講生は、初回からある程度上手に描けていましたが、モチーフの形の取り方や角度の違いを理解し、また、明暗の付き方についても理屈としてしっかり落とし込み、的確に陰影をつけられるようになった為、グッと立体感が増して来ました。
明暗の調整もうまく行き、光沢感も生まれました。
作品例4 「そうだったのか!」と目から鱗が落ちました
・年齢:30代
・制作時間:20分
・目的:漫画を描くこと
・気をつけたこと:光と影をつけること
・質問:タッチがうまくいかず、ただ黒く塗る感じになってしまいました。
リンゴに光が当たっている部分も、不自然になってしまいます。
どのようなタッチにすると自然に見えますか?
【添削後のご感想】
添削の感想を失礼いたします。
デッサンの基礎から、一つひとつ丁寧に的確なアドバイスをくださり、自分の絵に足りないものや、いまいち様にならない原因が可視化され、「そうだったのか!」と目から鱗が落ちました。
モチーフを描くことはとても難しいですが、ご指摘いただいた箇所を何度も練習し向上していきたいと思います。
左がモチーフ・中央が1度目の作品・右が復習添削の作品
ゴマちゃん様も、これが1回目の添削です。
初めにお送りいただいたリンゴも、それらしく描けているのですが、デッサンの「見かた」をお伝えし、観察ポイントや描くポイントを理解していただいた事で、全体的に統一感のある見やすいデッサンになったと思います。
立体も感じられるようになり、存在感がでてきました。
復習添削を取り入れた理由
ここまでご覧いただいて、納得!と感じていただけているかも知れませんが、やはり、「復習添削」は効果絶大なのです!
これによって、間違いなく上達のサイクルに、皆さんをお連れします!!(≧∇≦)
「添削&復習」の繰り返しをする事で、身体の中に落とし込み、一生ものの技術として、デッサン力を身につけていただきたいと考えています。