ニンニクと玉ねぎのデッサン添削
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松原美那子
今回は「きれいなボタニカルアートが描きたい!」ということで受講生の添削をみていこうと思います♪

 

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みみこ様・ニンニクと玉ねぎ

まずは、添削フォーマトにご記入いただいた内容からみていきましょう♪
添削フォーマットの内容
みみこ様
No.3985 静物(自然物) ニンニクと玉ねぎ
・添削回数 8回目
・制作時間 約9時間
・目的 きれいなボタニカルアートを描く。
・気をつけたこと
①影をていねいに描きました。
②まわりこみに気を付けて描きました。・質問「気をつけたこと」の、どちらもいまいちうまくいきません。
ご指導のほどよろしくお願いします。
モチーフはこちらです。
松原美那子のピリカアートスクール
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今回で8回目の添削になりますが、初回添削作品のドーナツ・3回目のブルーべりーの作品もみてみましょう。
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ブルーべりーの作品は、3時間くらいで描かれたそうです。
この時のコメントは「いつもぺたっとした平坦な絵になってしまうため、陰影をがんばりました。でも、やはりいまいち立体感に欠ける気がします。」
「どうしたら立体感がでてくるでしょうか?」というものでした。

松原美那子
この頃は、優しい雰囲気で仕上がっていますが、輪郭部分の処理の仕方が分からず、完成度が上がらず苦戦している印象でした。

受講生
私からみたら、十分上手だと思いますが!
それでも、その人によってうまく行かないと思うところがあるものなのですね〜。
比べると、上達ぶりが感じられると思います!
そして、今回の8回目の作品をもう一度見ていきましょう。
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受講生
確かに3回目の作品と比べると、すっごく上手になっていますね!!
もう、十分なんじゃないですか??(^_^;)

松原美那子
そうですね。
ぱっと見の印象も良いですし、かなり上達されましたね!
でも、まだまだ上手くなりますよー♪

玉ねぎとニンニク・添削内容

どんなところを見ていけば良いのか、添削していきますね!
今回の添削は高尾講師です。

非常に丁寧に描かれてあり、好感が持てます。
特に左の玉ねぎ2個は雰囲気も出ているし、丸みも感じられます。
鉛筆のグレートーンの使い方も良い感じです。
プロポーション敵に言えば、一番左の玉ねぎは少し縦長です。
となりの玉ねぎはほんの少しですが全体的にボリュームがあれば尚良かったです。
一番右のニンニクも少し縦長です。

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玉ねぎは筋がありますので、その筋を表現すると自然に丸みが生まれてくるため立体感が出やすくなるのです。
それに比べて、右のニンニク2個は立体感が乏しいのが分かります。
右から2番目のニンニクは白1色で筋はありますが目立ちませんし陰影の差もあまりありません。
一番右のニンニクは、筋は目立つのでその点は良いのですが、斑点の様な模様のため陰影が分かりづらくなっています。
よってなかなか立体感を出すのが難しかったと思われます。

全体的に言えることですが、鉛筆の腹を使い描く方法で描かれてあります。
その方法は、アタリを取る時や大まかな陰影を描く時、また微妙なグラデーションを描く時などです。
陰影での立体感の表現は限界があります。
もっと立体感を出す方法は、鉛筆を立てて線で立体を描く方法です。
下の図をご覧ください。
①は、円柱と四角柱を横の線(曲線)だけで描いています。
②は、縦の線だけです。
③は、その両方です。
①②より③がより立体に見えます。
③に斜めの線が入れば更に立体に見えます。

これは、線で面を作る方法です。
ですから、陰影を見るのではなく、そのモチーフ自体を見て、その表面がどの様な形で構成されているかを観察するのです。
この方法はすぐできる方法ではありません。
図の様な円柱や立方体などのシンプルなモチーフを何十枚もデッサンし、観察力と鉛筆の使い方を身に付けます。
それが身に付けば、あとは応用です。
色んなモチーフがありますが、形のあるもの全てが平面及び曲面で構成されてます。
ですから平面や曲面の描き方を身に付ける必要があるのです。
現在のデッサンに足らないのはそこです。
それが出来れば、回り込む形が描けるようになります。
陰については、良い感じだと思いますよ。

ここまでのアドバイスは、「一般的なデッサンでモチーフを立体的に描くには」と言うテーマのアドバイスです。
ボタニカルアートを描くのに、植物の構造を理解すると言う点ではデッサン力は必要だと思います。
しかしボタニカルアートは、立体感のある下絵は必要なくプロポーションを完璧に模写するのが通常のやり方なので、もっとプロポーションを正確に描くことに重点を置いた方がいいかもしれません。

 

ーーーーー中略ーーーーー

ボタニカルアートで求められているモチーフとデッサンの違いは、私見ですが0.01から0.02くらいの違いが限度かなと思っております。
元々は写真技術が無い時代に、医学書に載せる植物を正確に伝わるようにする為に始まった技法です。
何よりも、プロポーションと色味を正確に描かなくてはなりません。
よって、今よりもっと正確に比率を測りデッサンすることをお勧め致します。

今回は、分かりやすいように数値に置き換えて指摘いたしましたが、
改めて作品とモチーフの印象を見比べてみると、違いが理解できたでしょうか。

スーパーで野菜を選ぶ時、重さや大きさを認識し、品物を見定めるような感覚で、
大きさの違いや、形の違いを見極めて行かれると良いですね。

誰しも、自分の絵を客観的に見ることは難しいものなのですが、
画面から1mくらい離れたところから見てみる、敢えて休憩を挟んでから見直してみる、画面を逆さまにして確認してみるなど、いろいろな方法を使いながら、形を正確に捉えて行かれるように、訓練をしていきましょう。

 

最後に、みみこ様の作品に加筆してみました。

松原美那子のピリカアートスクール

もう少し固有色や個々の質感や、立体感を加えてみました。
いかがでしょうか。
更にモチーフの存在感が増してきたのではないでしょうか?
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