「平面の紙の上に、立体を表現する」
言葉の意味としては分かっているつもりでも、実際に絵を描くと他の人から「平面的だね」と言われてしまうことって、ありませんか?
そんな方には、解決方法の1つとして、立体を把握する際に「センターラインを描いてみる」という方法もおすすめです。
センターラインというと、その名の通り「真ん中を通る線」という意味ですが、瓶や缶、球体、などであれば、想像がつきやすいかと思います。
こちらの画像、どこにセンターラインが来るかイメージしてみてくださいね。
【①ビンとコップ】
そうですね。縦に中心にラインがきます。
そして、それを境目にして左右対称の形になります。
しかし、よくよく考えてみると、工業製品や、果物野菜、植物なども意外と左右対称なんですよね。
【②キッチンツール】
更には、人物や人物を型どった石膏像、動物にも、センターラインは使えるんです!
では人物の石膏像をご覧ください。
【③石膏像】
石膏像は真っ白で、人物ともなると、かなり複雑な形をしています。
漠然と見ていると、どこから描いたら良いのか分からなくなりますね・・・。
しかし、ここに黒色でセンターランを入れてみましたのでご覧ください。
【④石膏像・センターラインの入った画像】
このように、一本の線を描き入れるだけで、立体を把握しやすくなったのではないでしょうか?
ついでに、人物像の場合であれば、動きを確認するのにも役立ちますので、是非活用してみてくださいね。
ガイド線なので、薄く描いておいて、不要になった時点で消せば良いですからね。
それからもう一つ、センターラインに添って、切ったところを想像してみる。
これも立体を把握するのに良いトレーニングになりますよ。
そうです。MRIのように。輪切りです。
いきなり複雑な形は難しいので、果物など、ある程度わかりやすい形が良いですね。
例えばオレンジ。
【⑤オレンジの輪切りの画像】
輪切りにしてみると、厚みがあるところ、そうでないところ、いろいろありますよね。
皆さん、一度は切って食べたことがあると思うので、中身の色がどうなっているのか?どんな状態になっているのか?
分かるとは思うのですが、案外「漠然と知っている」という状況なのです。
なぜなら、平面の上に立体を描こうとすると、どうしても平面的になってしまうからです。
(まっ、普段から立体を考えながらオレンジ切る人の方が珍しいですが・・・笑)
まんまるの「球体」でも、平面の紙の上に描いているときには、案外、立体の意識が持てていなかったりします。
球体だから、どこを切っても「円」だっていうことは、多くの方は知識としては知っていると思います。
しかし、立体として描くときには、「一番手前(自分に一番近い)部分は「一点だ」ということは、どのくらいの方が、イメージ出来ているでしょうか?
その「一点」以外は、全てそれより「奥」に存在しているのです。
【⑥ゴルフボールの画像】
こちらのゴルフボールの場合は、「a」の部分が一番手前となり、それに伴ってテーブル面は「A」の地点と連動して描くことで、より立体や空間を表現することが出来ます。
こういった「知っている知識」を、実際に絵の中で使えるように、関連付けて、落とし込んでいくことが必要なのかなと感じます。
デッサンを描く際のおおよその手順としては、
①形をとる
②立体感を出す
③質感や固有色を表現する
こんな流れかなと思うのですが、実はどれも複雑に絡み合ってくる要素なので、あるとき、個々に知っていた知識や事柄が、「点と点 」から「線と線」へ、そして「面」へと繋がっていく瞬間が訪れます。
それまで、私たち講師は、種に水をやるように、毎回毎回、良くなるようにと、いろいろな角度からシャワーを浴びせかけています。
繋がる瞬間が訪れるのは、人それぞれのタイミング。
その瞬間を見逃さないように、疑問を持つことが大事ですね!(^ ^)