No.3159 基礎添削 正面の女性 かな
【年齢】30代
【制作時間】90分
【トレーニング内容】右脳トレーニング
【描く力を身につける目的】イラストレーターになりたいので、基礎の部分を学びたい
【気をつけた事】前回いただいたアドバイスを元にグリッド線を使いながら描きました。
【質問】人の顔に見えません。あと陰影の付け方がよく分からないです
ビジネスデッサン講座では、プロのデッサン講師による添削アドバイスを受けることができます。
添削アドバイスは、受講生の方同士がお互いに作品、添削アドバイスを共有し、モチベーションを高めあい、描く力を身につけて行く、上達への近道にして頂けたらと考えております。
人の作品を見ることももちろん勉強になりますが、自分の作品を添削されると、自分事として、見ることができるので一気に上達することができるようになります。
特に添削アドバイスを喜んでいただけていて、とても嬉しいです!
自分では気づいていなかった点もアドバイスしていただき、とても勉強になったと思いました。
教材があることによって独学より、デッサンの勉強を継続しやすいと思いました。
動画などもあるので、とても分かりやすいです!
実際に添削アドバイスを体験しましたがやっぱりなにをするのか教えてくれる。
それがすごくありがたいです。
では、ピリカアートスクール講師の添削アドバイスをご覧ください。
この記事の目次
人物・添削いたしました ピリカアートスクール志藤
こんにちは、今回添削を担当させていただきます。
ピリカアートスクールの志藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今回も前回に引き続き女性の正面像を描いていただきました。
モチーフ番号は11だとすると、作品の方は口を開いていません。
今回は、こちらの番号に沿って添削させていただきますが、こちらはもしかすると前回と同じモチーフでしょうか?
また、前回の添削を受けてグリッド線を用いたとのことですが、もう一度グリッド線の使い方も確認していきましょう。
また、PCの画面を見ながら描くと、垂直の画面を見ながら、平面に置かれた紙に描くことになります。
すると目の動きが上下になりますので、描きにくいという方もいらっしゃいます。
そうであれば、モチーフをプリントしたものを横に並べるなど、配置を工夫してみるのも一つの案です。
逆に画用紙をクリップなどで板に止めてモチーフの隣に並ぶように配置する方法もあります。
詳しくは、ビジネスデッサンの第8章デッサン基礎編もご参照くださいませ。
それでも、どうしても形が合わない!という場合にはモチーフをプリントアウトし、モチーフにもグリッド線を引いてしまうのも一つの手です。
そして、その線と線の交差からどの位置に目鼻口があるのか、また四角形の中での形はどうかなどを精査していく方法です。
著名な芸術作品のレプリカを作る場合にも、本物に格子状になるようにタコ糸を張ってそのとおりにレプリカを作るということもあるそうです。
補助線にあまり頼り切りにならず描けるというのが理想ですが、かな様の場合はまず「描けた!」という達成感を一度味わってみるのがいいと思いますので、もしよろしければプリントアウトしたモチーフにグリッド線、補助線を引いて隣に置いて観察しながら描いてみてください。
印影のつけ方について
ご質問にありました陰影の付け方ですが、添削資料に白黒の画像を載せました。
極論してしまうとこれと同じになるように陰影をつければいいのですが、かな様は今目立つ影の部分(顎の下の首の部分など)にしか意識が行っておらず、あとは全部グリッとした線でのみ表現されています。
ここから、「見えているすべての事象は陰影で表現できる」と言ってもいいくらい陰影に敏感になるには相当考え方を変えなくてはなりません。
イラストレーターになりたいと将来はお考えのようですが、イラストとデッサンは描き方が違います。
もちろん、デッサン力に裏打ちされたイラストというのはとても見ごたえのあるものになるのですが、イラストは基本的に線が重要になります。
対して、デッサンでは、線・境界線を描くことがほぼありません。(目の開口部、唇の合わさっている部分などは例外的に線で表現して構いません)
それは、身の回りのものをご覧いただくと分かりやすいかと思うのですが、現実世界に境界線というものは存在しません。
形は視点を変えることで裏側に続いていきますが、線を描くとそこで空間が途切れてしまうからです。
モチーフを通して立体や空間を表していくことがデッサンの大切な要因の一つでありますから線を使うことに慎重になる理由がおわかりいただけるかと思います。
モチーフをすべて光と影で表現するには?
では、モチーフをすべて光と影で表現するにはどうしたらいいでしょうか?
添削画像を御覧ください。
女性の皮膚は洋服の白よりも濃い色ではありませんか?
つまり、肌全体に軽く鉛筆が乗っていてもOKということになります。
対比で色をつける必要がありますので、そうでないと洋服の白が描写できないということでもあります。
ですから、まず思い切って肌全体に鉛筆を乗せてみるのはどうでしょうか?
その時、ただ闇雲に塗りつぶしてはいけません。
肌のハリ、筋肉の流れを意識しながら鉛筆を動かしてみましょう!
実際の筋肉の流れとは解剖学的に違っていても今はまだ構いません。
隆起しているところ、くぼんでいるところを意識して鉛筆の色(トーン)を乗せてみてください。明るい部分・暗い部分と場所ごとに色の違いがあると思いますので、そういった微妙な変化を観察しながら描いて行きます。
資料②で大まかな筋肉の流れの例を描いて見ましたので、これを参考にしてみてください。
鉛筆は、描くことで黒色がつく筆記具ですので、描くこと=色がつくとも考えられます。
ですから、全ての部分の凹凸を描き写す覚悟で描き込みをしてみてください。
もし、黒くなりすぎたら練りゴムで軽く抑えるように色を取り除く作業も取り入れてみましょう。
プラスティック消しゴムではなく、練りゴムを使うことで微妙な変化をつけることができますので、消しゴムの使い方も工夫してみてくださいね。
このように、まずは丁寧に絵に向き合ってみることです。
早く描かなくちゃと急ぐのはもっとあとになってからで大丈夫です。
今はじっくり観察し、試行錯誤しながら陰影を表現していく時期だと思います。
補助線をいれてパーツの位置を確認しましょう!
資料①はモチーフに補助線を入れたものになります。
赤が正中線、青は水平に見えますが少し左下がりになっている目鼻口の位置、緑は目頭から垂直に下へ下ろすと小鼻に当たるよ、という目安と広角から真上は瞳だよ、という目安です。
水色の四角は顔の大きさをおおよそ表しています。
ここで特に注目してほしいのが、「このパーツの真上(もしくは真下)には何があるのか」というものの見方です。これを意識するとデッサンでより位置がつかみやすくなります。
仮に真上、真下になにかものが交差しなくても、「真下よりちょっとだけ内側にこのパーツがあるな」などと考えると、位置がつかみやすさが全然違ってきますよ。ぜひトレーニングに取り入れてほしい考え方です。
かな様の場合、今は形を正確に取れるようになることとトーンを乗せていくこと、2つのことを習得しなければいけない時期です。
次の作品ですぐに出来なくても全然構いませんので、少しずつでもアドバイスを取り入れて、とにかく描き続けてください。
このモチーフをトレーニングする!と決めて何度もアドバイスを受けるのもいいですし、別のモチーフからアプローチをかけるのもいいでしょう。
やっているうちに少しずつ、デッサンの作法のようなものがわかってくれば作品はもっと軌道に乗ってくるでしょうし、なにより描くことが楽しくなると思います!
添削は以上になります。多くの方が、一番初めにぶつかる壁は「形を取ること」です。
もしかすると今は苦しい時期かもしれませんが、頑張って続けてみてくださいね。次回の作品も楽しみにしております。
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。