この記事の目次
No.3855 人物 ブロンドの女性 まる
【添削回数】3回目
【モチーフ】添付写真
【制作時間】12時間弱
【トレーニング内容】右脳トレーニング
【描く力を身につける目的】絵を描くことを楽しみたい
【気を付けたこと】これまでの添削でご指導頂いた『影』『立体感』『人物の特徴を掴む』を意識して描きました。加えて、今回は、『あたり』をとる時間をしっかりとりました。
【質問】デッサンにかける『時間』についてお聞きしたいのですが、、細かい描写や、細部までこだわって描いていると、ひとつのデッサンにかなりの時間を要してしまいます。私のような初心者は、ある程度時間で区切りをつけ(雑に描くという意味ではないです)枚数をこなした方がいいでしょうか?
ビジネスデッサン講座では、プロのデッサン講師による添削アドバイスを受けることができます。
添削アドバイスは、受講生の方同士がお互いに作品、添削アドバイスを共有し、モチベーションを高めあい、描く力を身につけて行く、上達への近道にして頂けたらと考えております。
人の作品を見ることももちろん勉強になりますが、自分の作品を添削されると、自分事として、見ることができるので一気に上達することができるようになります。
では、ピリカアートスクール講師の添削アドバイスをご覧ください。
No.3883 人物 人物・添削いたしました ピリカアートスクールFujita
作品拝見しました。講師のFUJITAです。
どうぞよろしくお願いいたします。
形について
難しいモチーフに挑戦されましたね!
描きどころが多いにも関わらず、見応えのある力強い作品に仕上がっていると思います。
すでに良い出来栄えですが、これから更に上達していただくために、何点かポイントをお伝えしていきます。
今回アタリに時間をかけて下さったおかげで全体の大まかなバランスは問題ありません。
ただ、グリッド線を引いて確認してみると部分的に気になる箇所があります。
下に伸ばした手の長さ【A】はもう少し短くしたほうが自然ですね。
作品の位置まで指先を下ろすには、肩をもっと下げる必要があります。
また、ウエスト【B】が実物よりもやや細いです。手前に両腕があるため横幅を測りにくいところですが、ここは頭部の横幅【C】と同じ幅になります。
ぜひ他にも、モチーフのなかで似たような幅を探してみてくださいね。
デッサンでは「気付くこと」が大切です。
いろいろな長さを比較したり、グリッド線を引いたりすることで形の違和感に気がつけるなら、どんどん活用しましょう!
そうすることで余白の形や、僅かなズレ【D】も発見しやすくなります。
顔について
顔は正中線【E】を軸に、パーツの傾きをよく観察しましょう。
【E】と交差する横線【F】は、上から順に生え際のライン、上瞼、下瞼、鼻下、口角…をそれぞれ左右でつなげたものです。
モデルの女性は(描き手から見て)顔を少し左側に傾けているため、すべてのパーツ【F】は左肩下がりになります。
作品ではこの傾きが少し弱いと思います。ほんの僅かな差ですが、左目、左の小鼻、右の口角のあたりを見直してみてください。
傾きと同時に、左右のパーツの間隔も観察のポイントになります。
正中線を軸に【H】の横幅を測りましょう。
眉間、鼻筋、小鼻の両端までの横幅は、少しのズレで顔の印象をおおきく変えてしまいます。
今回は鼻筋がかなり細く描かれている点、左目が離れている点、左側の輪郭がやや外側に広がっている点に注意です。
あらかじめ両目・鼻・口のパーツがおさまる範囲【G】を定めておくと良いかもしれません。
上記の点を、下の加筆後の画像と見比べてみてください。
接地面について
【I】【J】
今回ちょっと勿体ないなと感じたのは、人物が宙に浮いて見えることです。
簡単なラフデッサンであれば違和感は少ないですが、まる様の作品(繊細に描き込まれている密度の高い作品)では、ちょっと不自然に見えてしまいます。
人物も言い方をかえれば「床に置かれている物体」です。一枚の全身画として、接地面も一緒に描いていただくと更に良い作品になると思います^^
人物の立ち位置が安定しますし、物体としての存在感が増してきますよ!
モチーフによって机や地面が確認しにくい場合もあると思いますが、接地面・地面の高さ・影は常に観察してくださいね。
モデルの女性は布の上に立っていますので、両足とも部分的に布で隠れます。
多少隠れていても接地面や、地面の高さがどのくらいにあるのか想像できますね。
作品では(描き手から見て)右足がやや手前に描かれています。
実際はもう少し奥に置かれているので、左右の足の前後関係【I】をチェックしてください。
さらに余裕があれば、背景も少し描写できると良いですね!
【J】はモデルの女性が体重をかけているところで、膝や靴裏だけでなくお尻のあたりも軽く接しています。
背景を隅々まで描くのは大変ですから、足元の布とつながっている背後の布地だけでも十分です。
背後はおそらく椅子に布が被せられている状態ですね。
時間や余力次第では、すこし布のシワや凹凸を省いてもそこまで違和感はないと思います。
(資料Ⅱの加筆後の画像ではかなりシワを取り除いています)
人物だけでも大変なモチーフですが、できれば背後や床の描写も挑戦してみてくださいね!
◆総評
とても丁寧な描写で、細部へのこだわりを感じる作品ですね。
布、アクセサリー、髪、肌といった質感の違いが描き分けられていて素晴らしいです!
特に衣服の模様の描き込み、がんばりましたね。
思わず視線がそちらへ誘導されるぐらいです◎
全体的に完成度の高い作品なので、添削ではあえて細かい点を見させて頂きました。
ご質問で時間配分やトレーニングについて書かれていましたが、たしかに、まる様は細部の描写にかなり集中力と体力を割いていらっしゃると思います。
人物画は難関です。まだまだ測るべきポイントは多いですよ^^
それもデッサンには必要なトレーニングです。
今後は毎回トレーニングの目的を定めてから取り組んでみてはいかがでしょうか。
例えば、こんなトレーニング方法も有効です・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。