No.4744 静物(自然物) ほげこ
そして、下は、最近の作品です。
いかがですか?同一人物が描いたとは思えないですね。
【年齢】20代
【モチーフ番号】横モチーフ/静物・24番
【トレーニング内容】右脳活性化トレーニング、クロッキー
【制作時間】約1時間30分
【描く力を身につける目的】漫画とイラストの仕事がしたいからです。
【気をつけた事】正中線を意識して描きつつ、質感と明暗も気をつけました。
前回、茄子の添削の時と茄子の復習添削の時に、色々試してみようと思い、違う紙を使って描き、色や質感が全然違ってしまったので、復習添削の時も同じ紙で描くようにします。
【質問】丸でも四角でもない柿の形を、とるのが難しかったです。綺麗に形をとる為の目安はありますか?ご指導の程、宜しくお願い致します。
ピリカアートスクールが一番上達できる理由とは?
ビジネスデッサン講座では、プロのデッサン講師による添削アドバイスを受けることができます。
添削アドバイスは、受講生の方同士がお互いに作品、添削アドバイスを共有し、モチベーションを高めあい、描く力を身につけて行く、上達への近道にして頂けたらと考えております。
人の作品を見ることももちろん勉強になりますが、自分の作品を添削されると、自分事として、見ることができるので一気に上達することができるようになります。
特に添削アドバイスを喜んでいただけていて、とても嬉しいです!
自分では気づいていなかった点もアドバイスしていただき、とても勉強になったと思いました。
教材があることによって独学より、デッサンの勉強を継続しやすいと思いました。
動画などもあるので、とても分かりやすいです!
実際に添削アドバイスを体験しましたがやっぱりなにをするのか教えてくれる。
それがすごくありがたいです。
では、ピリカアートスクール講師の添削アドバイスをご覧ください。
この記事の目次
復習添削については、こちらの記事をご覧くださいませ。
No.4765 静物(自然物) 添削いたしました ピリカアートスクール矢野
ピリカアートスクールの矢野と申します。これから宜しくお願いいたします。
ほげこさんのデッサンを拝見しました。
柿の特徴をよく表現されていると思います!
細かいトーンの変化を丁寧に描かれていらっしゃいますね。鉛筆の使い方が繊細で、優しい色合いや雰囲気が伝わってくる作品です。
描く力を身につける目的
「漫画とイラストの仕事がしたいから」とありますが、前回もお伝えしたように、基本的な見方を学ぶことが絵の仕事をされるときに必要になると思います。
この調子でどんどん枚数を重ねましょう!
デッサンを描くということは、構図、形、トーン(濃淡)、明暗(光と影)、立体感、質感など、あらゆる角度からモチーフを観察して表現する訓練を積んでいるということです。
描く技術はもちろん大切ですが、見る訓練もとても大切ですよ。
今回のモチーフでも見るべきポイントがいくつかありますので、一緒に見ていきましょう。
まず注意して見て頂きたいのは、モチーフが机に置かれている位置と角度です。
資料1で柿にセンターライン(黄緑色)を引いてみました。ほげこさんも使われているように、正中線は形や構図を測るときに有効です。
この線を使ってそれぞれのモチーフが置かれている位置や傾きを確認しましょう。
今回は机に対して真っ直ぐに置かれているため、センターラインも机の平面に垂直ですね。
センターラインと重なるヘタの中心部の位置や、柿のどのあたりの部分が机に接しているかを観察して下さい。
デッサンでは柿の上の中心と底の中心があまり定まっていないように見えます。
上下の中心部のポイントを明確にすると、机に置かれている状態がより安定してくると思います。
それからセンターラインと交差させるように横線も引いてみましょう。
何もないところに左右対称の曲線を引くのは大変ですが、こうした補助線を使うことで左右の形や全体のバランスを比較しやすくなると思います。
光の関係でモチーフの輪郭線がぼやけていますが、できれば柿がふわふわと柔らかい物体に見えないように曲線の形は丁寧に整えましょう。
柿は手前と奥で2つ置かれていますが、配置のバランスはよく測れていらっしゃいます。
位置関係もサイズも良いですね!
資料1、2で柿の位置を斜線(オレンジ色)で結んでみましたが、これは手前と奥の関係性を表すもので、これから複数のモチーフがある場合はこのような方法で位置確認をしてみて下さい。
気をつけた事について
「違う紙を使って描き、色や質感が全然違ってしまったので、復習添削のときも同じ紙で描くようにします」
紙によって鉛筆や練り消しゴムの使い心地がまったく異なりますよね。
画用紙、ケント紙、木炭紙、黒色やセピア色の紙など種類がたくさんありますが、作品のイメージや画材に合わせて紙を選ぶのは非常に良いことだと思います!
これからイラストなどのお仕事をされる場合、最初に紙や画材を選ぶところから始まると思いますので、少し手間は掛かりますが表現に適した紙選びに神経を使ってみて下さいね。
質問について
「丸でも四角でもない柿の形をとるのが難しかったです。綺麗に形をとる為の目安はありますか?」
という質問ですが、大体の形やサイズは問題なく測れていらっしゃるので、あとはモチーフの立体構造を出来るだけリアルに想像することが大切です。
ほげこさんのデッサンでは、柿の「上の面」が少し曖昧に見えます。
参考までに資料1、2で柿の上下の面を示す楕円形を示してみました。
これを見ると手前と奥の楕円の形がちょっと違っていますよね。
「手前のモノのほうが広く大きく見える」という遠近法により、描き手から見える柿の楕円形は手前のほうが広がって見えます。
この形の違いをしっかりと確認して、上の面の丸さや凹凸を表現しましょう。
コメントにあるように、この柿は綺麗な楕円ではなく四角形の角が丸くなったような形ですが、正中線を意識して左右を見比べながら描くことが大切だと思います。
あとは定期的にデッサンから離れて遠くから観察したり、画用紙を逆さまにして見ると形の歪みに気が付きやすいですよ。
右利き、左利き、手癖などによって多少の歪みは出てしまうものなので、小まめに修正を繰り返して正しい形に戻していきましょう!
形と同じくらい重要なのは、柿のボリューム感を捉えることですね。
球体のモノを描くときは、モチーフの反対側を感じさせる鉛筆のタッチを重ねましょう。
描き手から見えない反対側にぐるりと回り込んでいくような、「面」の角度の移り変わりを描写して下さいね。
柿の正面→側面→反対側の面、底の面、上の面など、立体構造を意識すると柿のどっしりとしたボリューム感が表現できると思います。
鉛筆で柿の表面をなぞるようなイメージです。
最後にトーンについて見ていきましょう。
柿は淡い色合いなので光と影を捉えるのが難しかったかもしれませんが、柿の光沢や反射光のあたりを繊細なタッチで描いて下さっていますね。
是非この調子でもっと全体のトーンのバランスを調整していって下さい!
資料3ではトーンの変化を大きく3段階に分けてあります。ハイライト(黄色)→ハーフトーン(緑色)→濃いトーン(紫色)です。
明るい面から暗い面までを大きく捉えることで、全体のボリユームがより明確になってきます。
細かい鉛筆のタッチを加えたあとも、この3段階のバランスが崩れていないか常にチェックしましょう。
デッサンは全体的にやや淡い雰囲気で描かれていますが、机の影は柿のオレンジ色よりもかなり暗い色なので、こういった明暗の差を見比べながら描いてみて下さいね。
ヘタの部分は輪郭線で囲うのではなく、線を使いながら凹凸や明暗を表現するともっと写実的に見えると思います!
基本的に陰影は形の上に出来るので、影の下の形を想像しながら描いていきましょう。
もし機会がありましたら、実際に手で柿を触ってみるのもオススメですよ。
球体の丸みや厚みを確認するとデッサンに反映しやすくなると思います。
これから丸いものを描く時に、少しでも今回の添削を思い出しながら描いて頂ければ幸いです!
良い調子だと思いますので・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
松原美那子の復習添削アドバイス
柿の艶やかさも綺麗に表現できていますし、良く描けていると思います。
ただ、ハイライト部分は実際よりもほんの少し強い感じもするので、軽く抑えても良い気がします。(あまり強いと金属質にも見えてきます・・・)
また、ハイライトの入る位置も、形を現すのにポイントとなる要素です。
手前の柿はちょっと下に下がり気味な気がします。もう一度確認してみてください。
今回も加筆例をつくってみましたが、柿の色と葉の色は、固有色の違いを明暗の差に置き換えて見て行くと、葉の色の方が濃く(暗く)見えるのではないでしょうか?
葉の固有色の濃さから考えて行くと、もしかすると柿自体の色味ももう少し明るくても良いかも知れません。
微妙な差の描きわけは難しいものですが、あちこち比較しながらパズルのように、その場所にぴったりとハマる色を見つけていってください。
葉の形の凹凸自体の表現は悪くは無いと思いますよ。
ただ、もう少しだけ暗い部分の面を丁寧にシャープな線で描きいれて行くとより凹凸が見やすくなり、葉のパリッとした感じが表現できると思います。
葉と実の部分の境目などは、まだ少しぼんやりとした感じがしますので、曖昧にせず、しっかり描き込みしてみてください。
2Bくらいの鉛筆を先端を尖らせ、立てて描くとシャープな線が描きやすいです。
それから、ご自身でもお気づきのようですが、テーブル面の影の部分は更にもう一歩よく観察してみてください。
今回のモチーフの場合、上から見下ろした構図ですので、テーブルとの接地面は実は見えていません。見えているところは少し浮いている状態なのです。
また、輪郭の一番暗いところと比べると、少し内側部分がほんの少し明るく反射しています。
この描きわけを丁寧にすることで、下への回り込みが表現できるのです。
また、テーブルの影の描き方としては、決まりは無いのですが、鉛筆を水平に動かしながらタッチを描きいれていくと、テーブルの水平面も伝わりやすくなりますので、試してみてください。
タッチの付け方一つで、奥域も表現できます。
今回は、柿と柿の間に空間が存在しています。
この2つの柿の距離感も意識しながら重なっているところの明暗の移り変わりも、丁寧に観察していきましょう。
基本的には「見たまま」に明暗を写しとれば大丈夫です。
もう一歩、締めどころ、描きどころが理解できてくると、一気に完成度があがってくるはずです。
形と形(葉と実・テーブルと実・2つの柿)の境目の部分をもう一度よく観察し、シャープな線が引けるように工夫してみてください^^
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。