No.5064 静物(その他) 添削提出 1回目 あゆむこ
【添削回数】1回目
【年齢】29歳
【モチーフ画像番号】プラン3専用モチーフ15番
【制作時間】40分
【トレーニング】右脳トレーニングを実践し始めて今日が5日目です。
【描く力を身につける目的】すでに絵を描く仕事をしているが、実力がまだまだ足りないので上手くなりたい!本気で取り組む。なるべく早く上達したい。
人の顔の陰影の範囲がわからないのと、指や動物の毛の質感等を表現するのが苦手です。
【気をつけた事】あたりをなんとなくつけて、ざっくり全体のバランスを取ってから細部を描くようにした。けどズレている。
今回もよろしくお願いします。
この記事の目次
デッサン力を短期間で身に着ける方法!復習添削については、こちらの記事をご覧くださいませ。
添削いたしました ピリカアートスクール矢野
はじめまして!ピリカアートスクールの矢野と申します。
あゆむこさんの石膏デッサンを拝見しました。どうぞよろしくお願いいたします。
描く力を身につける目的
「すでに絵を描く仕事をしているが、実力がまだまだ足りないので上手くなりたい!本気で取り組む。なるべく速く上達したい」
40分間で凹凸や陰影をとても丁寧に観察されていらっしゃいますね。
顔のパーツがよく描き込まれていて見応えがあります!現在、あゆむこさんは芸術関係のお仕事をされているのですね。
そのうえで新たにデッサンの勉強を取り入れようという考えは素晴らしいと思います。
デッサンは画力の基本となる観察力、描写力、想像力を磨いていく訓練です。慣れるまでは大変なところもありますが、基本が頭に入っていれば、今後の制作にきっと役立つはずです。
楽しみながら着実に上達していきましょう!
気をつけた事
「アタリをなんとなくつけて、ざっくりと全体のバランスを取ってから細部を描くようにしたがズレている」
とても効率的な描き進め方ですね!
「全体→細部」の順で描くことによって、デッサン後半での修正作業を減らすことが出来ます。
ただ、それでもデッサンには繰り返しの修正が付き物です。
最初のアタリを「なんとなく」から「出来るだけ正確に」描けるようになると、大幅な修正を防げるようになります。
そのための観察のポイントをいくつかお伝えしていきますね。
まずは形を見ていきましょう。
資料1で石膏像の上にセンターライン(青色のタテ線)を引いてみました。
センターラインとはモチーフの真ん中を通る正中線のことです。
髪の生え際、眉間、鼻筋、顎先をタテに結び、センターラインを軸にして顔の左右を見比べましょう。
目鼻立ちといった顔のパーツだけでなく、頬や額など余白となる皮膚の面積も丁寧に測ることが大切です。
その際、センターラインと交差するヨコ線(青色)も参考になります。
このヨコ線は、顔の左右の傾きを示しています。
左右の眉、目、小鼻、口角をしっかりと測りましょう。
測るときは「なんとなく、この辺りかな」という感覚から一歩進んで、精密な図形を描くような気持ちで各パーツの位置を測ってみて下さい。
この下描きの正確性が、後半の描き込みに大きく影響するからです。
顔、首、肩の傾きを捉えながら、石膏像の目線も意識しましょう。
あゆむこさんの作品では目線が斜め下を見ているように感じますが、モチーフの石膏像はやや上方向に視線を送っています。
これはセンターラインと交差するヨコ線の傾きを見ることで改善します。
両目の位置は、右肩上がりのヨコ線を意識しましょう!
両目と鼻のトップを結ぶ三角形(青色)の形も観察のポイントです。
モチーフでは鼻腔が見えていて、描き手が下から見上げている構図だと分かります。
あゆむこさんの作品は小鼻など繊細に描かれていて良いのですが、鼻腔の形が上から鼻を見下ろしているように見えますね。
このような少しのズレを根気よく修正していくことで、頭部の微妙なムーブメント(動き)が感じられるデッサンになります。
例えばデッサンを見せて「人形みたいに動きが固い」「どこか不自然に見える」といった評価になるときは、各パーツの繋がりや配置、奥行き、目線の方向などが曖昧に描かれている場合が多いです。
資料1、2でお伝えしたセンターラインなどを積極的に使って、なるべく客観的にモチーフの特徴を捉えていって下さいね。
トーンについて
次にトーン(濃淡)を見ていきましょう。
今回の作品は顔のパーツや顎下の陰影など、個々のトーンが力強い作品に仕上がっていると思います!
白色の石膏像は淡く描いてしまいがちですが、あゆむこさんの作品はメリハリが出ていて良いですね。
あとは光と影の位置関係と、全体のトーンの強弱を観察すると、もっと写実的な作品になると思います。
描きはじめる前にモチーフの光源を探して下さい。
石膏像には右上から光が当たっていて、右半面が明るくなっています。
反対に左下は暗く影になっていますね。
この大きなトーンの流れを作品に反映して下さい。
資料3ではモチーフのトーンを大きく3段階に分けてみました。
ハイライト(黄色)→ハーフトーン(緑色)→濃いトーン(紫色)の順に暗くなります。
3段階のトーンで画面全体の明暗を整理しながら描き進めると、作品に統一感や立体感が出てきますよ!
トーンの流れを見るときには、細部の陰影はあまり気にしない方が良いと思います。
目を細めて対象を見ると、細かいところを省けて大きな明暗に集中しやすくなると思いますので、ぜひ試してみて下さいね。
同じハイライトの範囲内でも、僅かに明るさが違うことがあります。
資料1、2、3の明るさを比較しながら描き進めましょう。
それから、制作中は画面から離れる時間を作ってみて下さいね。
少し距離を置いて見ると、全体のバランスやトーンが分かりやすくなると思います。
鉛筆のタッチについて
次に鉛筆のタッチを見ていきましょう。
資料4の石膏像をご覧ください。
モチーフの石膏像よりもゴツゴツしていて、明暗がはっきりと見えると思います。
これは主に「面取り」の練習で使う石膏像です。
ほぼすべての立体は「面」で構成されているので、このような面の方向性や変化を見つけて下さい。
資料4の矢印線を見ながら、鉛筆を動かす方向を工夫してみると立体感が掴みやすいはずです。
塗り絵のようにトーンを乗せるのも間違いではないのですが、のっぺりとした鉛筆のタッチは石膏像の立体的な形が分かりにくいのが難点です。
もう少し、線を重ねながらトーンを乗せる練習も加えると良いと思いますよ!
鉛筆は3Hから3Bくらいの種類を使い分けるのがオススメです。
それから・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。