そっくりに似せるための人物画デッサンの眼の描き方とは?
そっくりに描くコツを教えてください!
人物を描くけど、「なかなかリアリティが出ない。」「完成度が上がらない。」「これ以上どう描いたらいいのかわからない!」という方には、必見の内容です。
まず、【資料1】のモデル画像と【資料2】の作品画像をご覧ください。
この絵は、全体としてみると、モデルの雰囲気も出てきそうですし、決して悪くはないのですが、まだまだ固定概念で観ているかなぁと感じられる部分もあります。
ここから先は、ちょっと細かく観察ポイントをお伝えしていきますね。
知ってしまえば「なぁ〜んだ!」というような事もあるかも知れませんが、参考になる部分はどんどん作品に活かしていってくださいね。
アイラインは印象を左右する
それでは一つずつお伝えしていきます。
まず、モデルの目元をみると、向かって左の目尻の部分は、下に向かって下がるようにアイラインが描かれています。
ここは目のニュアンスを表現する上では、印象を左右するとても大切なところです。
どんな感じでチェックすればよいのかは下の図を見てみてください。
二重瞼(ふたえまぶた)は忠実に表現する
次に、二重瞼(ふたえまぶた)の部分、モデルには明るい色のアイシャドウが塗られていますが、絵で描かれているような暗さはありません。
ここも印象が異なる一つです。
もしかすると、固定概念でアイシャドウは眼を際立たせる為に黒くしたのかも知れません。
パッと見の印象が変わってしまいますからね。
明るい瞼の上に、綺麗にカールされた、まつ毛の一本一本の存在が際立っています。
メイクにこだわる方は、付けまつ毛をするくらい、気を使いますよね。
同じような気持ちで、一本一本を描き入れましょう。
この時、気をつけるべき所は 毛の生えている間隔です。
ぱっと見の印象がとても大切なのです。
それから、黒目の大きさや見え方にも注目してください。
ライトが写り込んでいる白い点は、 描き込むのが難しいかもしれませんが、これを描き入れることで更にリアリティが出てきます。
左右の目を比較する
次に左右の眼を比較しながら観察してみましょう。
「全く同じでは無いな」という事には気がつくかもしれません。
左右の目を比較するという観点はなかったです。。。
左右の目をじっくり観察しましょう!
あなたなら、どのように描き分けますか?
左右で大きさに違いを持たせて描けている点はとても良いです。
ですが、向かって右側、奥の眼は、更にもう少し丁寧な観察が必要です。
実は、このモデルさん、真正面を向いているのではなく「少し横から観ている状況」だということに注目します。
すると、「右の目尻」は後ろへ回り込むように少しカーブしていますので、横幅が狭く見えています。
更に、目尻のキワの部分を良くみると、眼球が球体であることが感じ取れますし、眼の内側の粘膜部分も観察できるのです。
ここで、今一度、左右の見えかたの違いを確認しておきましょう。
更に詳しくみていくと、眼の形もただのアーモンド型ではなく、下の部分は目頭から目尻にかけてゆるやかにカーブしているように見えます。
そして、眼球は当然ながら、眼の中に収まるように描きます。
二重瞼(まぶた)の部分は、先ほど明るさの点を指摘しましたが、二重の線を端から端まで、全部を同じ強さで描くのではなく、 強弱を持たせながら描いてみましょう。
実際にモデルをみてみると、強くはっきりした線が感じられるところと、うっすら見えるところとで、強弱の差が感じられるのではないでしょうか?
この細かい強弱を描くことで、眼球のカーブしている立体感を表現することにも繋がるのです。
同じように、眉毛と目尻の境目部分は、横から見ると凹凸が感じられると思います。
ここも皮膚の下の骨格の形を踏まえながら、立体に沿って鉛筆を動かしていきましょう。
色だけでなく、立体を描き起こすという意識が、とっても大切です。
眉毛の濃さを比較する
髪の毛や目元の黒さと比べると、柔らかくふんわりした色だと思いませんか?
この場合、鉛筆の種類を変えるか、筆圧を調整するなどして、他の部分と少し変化を持たせると、うまく行くと思いますよ^^
今回は目の周辺部分を細かく見てみましたが、こんな風に、ひとつひとつを丁寧に見ていくと、もっともっと良くなりますよ♪
人物を描く時、大抵の人は、顔の左右で形が違うものです。
普段から「違う所を探す」という気持ちを持っておくと、その方の特徴を発見しやすくなりますよ♪^^
違いは個性。その人らしさに繋がる魅力にもなります。
モデルの良い所をたくさん引き出してあげましょうね!^^
人物画については、こちらの記事も参考にしてくださいませ。