1回と2回目の作品の違い、わかりますか?
一見あまり変わっていないように見えますが・・・
いかがでしょうか?
あなたは、この2つの大きな違い、気が付きますか?
一見すると、あまり、変わってないように見えるかもしれませんが、添削アドバイスを読んでいただいてから・・・もう一度、見てみてください。
全く違う作品に見えるようにようになります!
では、どのように上達したのか、実際の添削アドバイスをご覧くださいませ。
復習添削については、こちらの記事をご覧くださいませ。
特に添削アドバイスを喜んでいただけていて、とても嬉しいです!
自分では気づいていなかった点もアドバイスしていただき、とても勉強になったと思いました。
教材があることによって独学より、デッサンの勉強を継続しやすいと思いました。
動画などもあるので、とても分かりやすいです!
実際に添削アドバイスを体験しましたがやっぱりなにをするのか教えてくれる。
それがすごくありがたいです。
この記事の目次
No.4323 静物(その他) アイスコーヒー EM
【添削回数】3回目
【年齢】50代
【モチーフ番号】縦静物モチーフ No.7
【制作時間】4時間
【トレーニング内容】直線や丸を描く練習、楕円形を描き切り取って上下左右ズレが無いように練習、右脳トレーニングを実践
【描く力を身につける目的】趣味で始めた油絵で、細かい描写ができるようになりたい。スラスラとスケッチができるようになりたい。更に、人物も描けるようになりたい。
【気をつけた事】前二回はグリッド線に頼って形を取りましたが、今回はグリッド線を引かずに描きました。と言っても、大まかな部分は定規で大体の位置を取りました。
【質問】私の鉛筆の中で一番濃い8Bで縦横斜めに線を入れても、なかなかコーヒーの濃さを表現できませんでした。
どのように描けば良いのでしょうか。あと、グラスの縁の明るい部分がスッキリ描けませんでした。
ビジネスデッサン講座では、プロのデッサン講師による添削アドバイスを受けることができます。
添削アドバイスは、受講生の方同士がお互いに作品、添削アドバイスを共有し、モチベーションを高めあい、描く力を身につけて行く、上達への近道にして頂けたらと考えております。
人の作品を見ることももちろん勉強になりますが、自分の作品を添削されると、自分事として、見ることができるので一気に上達することができるようになります。
では、ピリカアートスクール講師の添削アドバイスをご覧ください。
添削いたしました ピリカアートスクール山田
作品拝見しました。
添削をさせていただきますピリカアートスクールの山田と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。
とても良く観察されています!
難しい楕円形もキレイに描けていますし、コーヒー表面の複雑な形もよくとらえることが出来ています。
とても良い作品になっています。
ご質問の内容を中心に、ポイントごとに見ていきましょう。
図①②をご覧ください。
全体的な形や、カタチの比率配分もとても良いのですが、グラスがゆがんで見えるのが残念です。
グラスの両サイドがBCのように曲線のように見えています。
見えていると書きましたが、実際にも作品の外形ラインはまっすぐにはなっていません。
描いているときには、なかなか気づきにくいものですから、ある程度描き進めたら必ず、画面から目を離して、モチーフとよく比較観察するようにしてください。
このグラスは、真ん中あたりが濃くて、両端に行くほどややグラデーションがかかって明るくなっていますね。
そのことを意識しすぎたためか、グラスと背景の境界があいまいになってしまっていることも、グラスがゆがんで見える原因です。
図⑥を見ると良くわかると思います。
境界線について
2つの赤い●の境界は非常にくっきりとはっきりとしていますが、作品は境界があいまいでぼやけています。
モチーフのこの部分は、作品のような、すこしぼやかした印象はあるのですが、よく観ると境界はくっきりしています。
自分の印象ではなく、しっかりとよく観て描かなければなりません。
図⑥のYの位置からWにかけて少し明るいグラデーションの表現が必要ですが、WとNの境界ははっきりと分かれていることを「観」なければなりません。
図①に戻ります。
当たり前のことなのですが、グラスを描くときは3つの楕円の中心が、中心軸Aの上になければなりません。
作品はグラス下部の楕円形が左にズレてしまっています。DEの位置です。
このようなズレを防ぐためにはどうすればいいのか?
下描きの段階で、まず中心軸Aのラインを描いておきます。
そして楕円の中心点と、中心軸がずれないように3つの楕円形を描きます。
この時点で、楕円形としての形をキレイに整えておくとよいです。
もちろん、モチーフをよく観察しながらです。
ご質問内容について
次にご質問の、コーヒーの濃さの表現と、グラスの縁の明るい部分の表現について。
>私の鉛筆の中で一番濃い8Bで縦横斜めに線を入れても、なかなか現できませんでした。どのように描けば良いのでしょうか。
筆圧が弱いのです。
作品全体として、筆圧が弱くコントラスト足りないのです。
また、発色の良い色を出すには、重ね塗りをあまりせず、一気にある程度の筆圧で色をつける必要があります。何度も塗り重ねていくと、紙の目が潰れ、鉛筆の色が濁ってしまい修復できない場合があります。
濃く描かなければならない箇所、明るく描かなければならない箇所、グラデーションが必要な箇所などはよく理解されているように思います。
グラス本体の濃さの部分を見てみましょう。
図③のSとTを比較します。
図⑥も参照してください。
作品は濃い鉛筆を使っているにもかかわらず、タッチを付けるときの力(筆圧)が弱く、画面をザラザラとなぞるように鉛筆を滑らせて描いています。
この部分は描き方としてはそれでよいのですが、筆圧が弱いままで、何度重ねてタッチを付けてもなかなか濃くなりにくいです。
特にグラス中央部のSやYの辺りは、他の部分に比べて鉛筆をある程度画面に押し付けるようにしないと「濃さ」は表現しにくいです。
筆圧を調整できれば4B位でも十分な濃さを出すことが出来ますよ。
グラデーションスケールで見ると、作品のトーンの幅はP、モチーフのトーンの幅はQです。
作品は、もう2段階濃いトーンが必要なのです。
グラスの縁の明るい部分の表現について
キラッとしたガラスの光がほしいのですよね。
コントラストが足りないことが、どよ~んとして、「光」が表現できない大きな原因です。
部分部分の明暗はよく観察できているのです。
しかし、観察できているのに、描くことが出来ていない。
ちょっとしたことですぐに表現できますから、注意してみてください。
図④を見てください。
3つの赤丸がありますね。
この3点は、かなりくっきりとトーンが分かれています。
境界がはっきりしているということです。
ZとVの部分は濃さは近いのですが、Xの白さの部分とはかなり明確に境界が分かれていることに注意しなければなりません。
ここをぐだぐだっと描いてしまうと、せっかくの「光」のポイントを生かすことが出来ません。
グダグダっと描いているわけではないと思いますが、このようなコマカイ部分でしかもポイントとなるような部分では、先の尖った少し硬い鉛筆で丁寧に描くようにします。
さらにXZVとその周辺のトーンの違いもよ~~~く見ておく必要があります。
作品は、濃くするべき部分を濃くしきれていないのです。
もっと思い切って・・・・
あなたの作品を拝見させていただくのを楽しみにしています!
どんどん上達している受講生の声はこちらをご覧くださいませ。
No.3171 基礎添削 アイスコーヒー 復習 EM
ご指導ありがとうございます。
失敗が怖くて鉛筆を立てて描けないでおりました。これからは思い切って描いてみようと思います。あと全体の中の濃さの違いを見つけることが難しく感じます。
添付はコントラストが出るように頑張って描きました。どうぞよろしくお願いいたします。
No.3181 復習添削いたしました ピリカアートスクール松原
加筆後の作品拝見いたしました!
濃淡のつけ方や、鉛筆の動かし方を工夫していただき、グラスの立体感がグッと増したと思います!^^
前回の添削の際に、鉛筆の発色についてご質問をいただいていましたが、加筆の場合これ以上の発色が難しかったかも知れません。
次回からは、今回の経験を踏まえ、最終的に発色をあげた方が良いと感じる部分は一気に色を載せるようにすると、うまく行くと思いますよ。
それから、ここまで描写のできる方ですので、更にレベルの高いお話を少しさせていただこうと思います。
写真の模写ではなく「絵」を描くという視点からです。
今回のようなモチーフは、実は「観たままに描く」ということが大前提ではあるおんですが、実はその上で「整理して考える」ということをしていきます。
どういう意味かと言うと「どこをどう表現したいか?」を意思を持って描くということです。
絵は紙の上に立体を描くというある意味で「嘘の世界」です。
ですから、その嘘の世界をいかに本当のように見せるか?というふうに考えるのです。この部分は人によって考え方が異なるかも知れませんので、こういう考え方もあるという風に、視野を広げる意味でお伝えしようと思います。
お送り頂いた作品に、少しだけ加筆してみました。
「加筆例」をご覧ください。
①②③の部分に分けて解説していきたいと思います。
まず全体的にキラッとした感じを出したかったので、氷や飲み口の部分に黒色をしっかりと入れて、また明るいところに白色を加えてみました。
多分イメージしていらっしゃるよりも、「それらしく」見せる為には少しコントラストは強調するくらいで良いと思います。
次にグラスの表現についてです。
①周辺の上部の楕円が少し心もとない感じなので、積極的に描写してみました。
一番手前にくる飲み口部分は境目のところを少し濃いめの線で縁取りしてあります。ここは、ちょうどコーヒーの色が濃いので、多少強く描いても違和感なく感じられるのではないでしょうか。
また、のみ口の楕円、奥の部分にも加筆してあります。
写真画像では、バックに溶け込むようにうっすらとしか線が見えていませんが、実際には透明のグラスがしっかりと存在しています。
また、手前の部分から推測するにグラスには厚みが存在しているはずです。
そこを積極的に見て描き写しています。
こうすることで、背景に溶け込まず、グラスの存在が際立って見えませんか?
平面の紙の上に立体を表現したいので、こういった少しの調整が必要になってきます。
そうしないと、紙に溶け込んでしまい、「物」に成りきらず、そこに在るようにみえ無いのです。
次に②周辺、グラスの垂直に立っている部分をご覧ください。
ここも同じように言えるのですが、モチーフ画像を見ると、確かに左右の両端は周りの明るさによって線がはっきり見えてい無いかも知れません。
しかしそこにはグラスが存在するのです。
「薄く見えるから薄く描く」「見えないから描かない」というのではなく、そこに合ったちょど良い色や濃さで「しっかりと描く」が正解です。
それから、もう一つ、コップの中に液体が入っているということも表現できると良いと思います。
例えば側面の手で持つ部分に、敢えて少し縦のラインを描き入れてみました。
こうすることで、グラスの張りというか、硬さが表現できる気がします。
絵で描くときには、魅せ方を考えます
今回の場合であれば、見せ所としては、グラスの質感・コーヒの黒さとその中に見えている氷、グラス越しに見えている氷、グラスを通さずに見えている氷と水面の部分。
このくらいの描き分けが必要になってきます。
しかし、全部を描くのではなく、見せるところと、敢えて隠す部分を作ることで、見る側の視点が迷わずに見ることができます。
それから、③周辺の床の表現です。
影は丁寧に描かれていて、とても良いのですが、もう一つプラスしていただきたいのが、平面のテーブルの表現です。
ご理解いただきやすいように、少し強調して書いてありますが、影にはただ色をつけるという感覚ではなく、テーブルの面を描くという意識を持ちながら描いていただきたいのです。
また、テーブルはグラスの後ろ側にも存在しています。
ほんの少しこのように線を描きいれるだけで、後ろ側へ続く空間を表現することにも繋がります。
こんな風に、ひとつひとつをこんな風に理屈として在る種、左脳的に考えながら描いていきます。
観たままを描くという右脳的なものと正反対に思われますが、実はデッサンでは両方の感覚を持つことが大切なのです。
でも、「透明なグラスがそこに在る」と思うと、見えてきませんか?(笑)
そういう意味では、見方を身につけるということになるのかなと考えています。
ちょっと難しかったかも知れませんが、参考にしてみてください。
ガラス製品は少し難しいかも知れませんが、整理して考えられるようになると、筆の迷いが減ると思います。
分からない点はご質問いただければと思います。
どうぞ宜しくお願い致します^^
参考にしてみていただければと思います。
では、また次回の作品も楽しみにお待ちしております^^
添削アドバイスを受けるとなぜ一気に上達できるのか?
その理由は、こちらの記事をご覧くださいませ。