デッサン力があがるグレースケールの作り方!スランプ時の活用方法とは?
私は、遠い昔、中学校の美術の時間に作ったなぁという記憶があります。
その後、美大受験を決めた時にも、改めてつくりましたし、鉛筆の色幅がなかなか増やせなくて、スランプに陥った時にも作った記憶があります。
スランプ脱出のきっかけになるんですよ。
その活用方法おしえてください!
スランプと言っても、いろいろなケースがあると思うのですが、ここでは「色幅が出せない」「立体感が出せない」「固有色が出せない」「メリハリのあるデッサンに仕上がらない」「全体的にグレーな絵になってしまう」・・・こんな風に感じた方には、役立つ内容になると思います♪
でも多分、皆さん必ず一度は壁に感じたことがある内容なのではないでしょうか?
安心しました(笑)
グラデーションスケールは、画像で見れば「あぁ、これだよね」となるのですが、実際に描いてみることで、気づきが多くあります。
是非、あなたも一度は作ってみてくださいね♪
どんな風に役立つのかは、ひとつづつ解説していきますね^^
この記事の目次
グラデーションスケールとは?
デッサンは、線を描くだけではなく、いろいろな黒色を塗って変化をつけることで、モチーフの特徴を表現できます。
下の図は、一本の鉛筆を使い筆圧を変えることで色を塗り分けていますが、
鉛筆の種類を使い分けることでも、濃い黒、薄い黒、など無限に色の幅を増やせます。
グラデーションスケールの作り方とは?
初心者の方は5段階から始めても大丈夫ですよ。
表の作り方を簡単にお伝えすると、画用紙に10段階にマスを区切り、一番暗い部分は6Bの鉛筆を先端を尖らせ、芯を立てて濃く塗りつぶしてみてください。
これが、一番濃い色の基準になります。
(6Bがない場合は、4B、3BなどのB系の柔らかい鉛筆を使ってみてください)
また、もう一方の端は画用紙の白色のまま残しておきます。
これが一番明るい色ということになります。
左右どちらが黒でも構いませんが、「右利きは左端」「左利きは右端」を黒にする方が描きやすいです。
また、一番黒い部分は、真っ黒に塗りつぶす際に画用紙の表面の凹凸がつぶれても構いませんので、思い切り濃くしてみてください。
コツとしては、鉛筆を尖らせた状態で文字を描くときのように立てて持ち、筆圧をあげて描いてみてください。
このように、こすらずに一度で筆圧をあげて色をつけることで、鉛筆の発色も良い状態で保たれます。
また、このときの「黒」が、あなたが出せる「一番濃い色」ということになりますね。
今回のサンプルでは「4B→3B→2B→B→HB→F→H→2H→3H」と、それぞれのマスごとに鉛筆を変えて色塗りしてあります。
難易度をあげるには、鉛筆の種類を減らしてチャレンジしてみるのも良いですね。
それぞれの鉛筆の特徴を学ぶことにも繋がりますし、案外楽しいですよ。
マスの大きさは特に決まりはありませんので、画用紙に線を描き入れて初めてみてくださいね^^
グレースケール(グラデーションスケール)の活用方法とは?
さて、デッサン用のグレースケール(グラデーションスケール)を作ったのは良いけれど、いったいこれを「どのように使えばいいのか?」というお話をしてみます。
デッサンを描く時、まずはじめに光の方向を確認し、それから全体の中で「一番明るい部分(ハイライト)」と「一番暗い部分」を見つけます。
石膏像のように、真っ白のモチーフの場合は、光源に対して垂直方向を向いている面で、なおかつ光源に最も近い部分が一番明るい「ハイライト」となります。
逆に、最も暗くなる部分は、反射光もなく、光が届かない場所です。
次に、中間色を探していきます。
グレースケール(グラデーションスケール)の真ん中に当たる色が、モチーフのどのあたりになるかを探してみましょう。
3段階のトーンに分けてみる
グラデーションスケールを作ったからこそ、モチーフと比較して探すことができるんですね。
このように、一番明るい(明)・中間 の色(中)・最も暗い(暗)と、3段階にトーンを分けて考えます。
そこから、更に細かく明暗の違いを描き分けて行くわけなのですが、このスケールを見ながら、色のトーンを配置、調整していくことで、全体のトーンバランスを崩すことなく、描き進めることが出来るようになります。
受講生の作品を拝見していると、「光の方向を確認していないな」と感じることが多々あります。
初心者の方は、形をとることや、色をつけること、目の前のやることがたくさんあるので、描いているうちに全体を見ることを忘れてしまうものです。
ですが、この「明・中・暗」を意識することは、必然的に「光の方向」を確認しながら描くことにもなります。
ここをしっかり描き分けるだけでも、立体的に表現することが出来き、まとまりのあるデッサンになってくるのです。
グラデーションスケールを作ることで、光の「明・中・暗」が見極められるようになるんですね!
物を面でみる習慣をつける
光が当たる面。影になる面。
形を「面」の移り変わりとして捉えていくことができるので、形を線で見なくなります。
よく「身の回りの物には線が存在しない」と、お伝えしていますが、モノを「面で見る」という習慣が無かった方にとっては、なかなか急には見方を変えることができないのです。
しかし、このグレースケール(グラデーションスケール)に当てはめながらモチーフを見ていくという作業を繰り返すと、段々と面で見る意識が持てるようになります。
特に石膏像などの「白色のモチーフ」であれば、グレースケール(グラデーションスケール)により当てはめやすいので、チャレンジしてみてください。
それから、スケールと比較しながら描くことで、冷静に自分のデッサンを見ることができるようにもなりますので、特に初心者の方は、お手元にグレースケールを置いておくと良いですよ♪
色幅が増やせると、当然ながら表現の幅も広がります。
明暗をしっかり描き分けることができれば、立体感も表現しやすくなります。
自由に色幅を使い分けることができれば、固有色にも迷いません。
それから、全体にグレーの色に仕上がってしまう人は、画面全体の色幅が客観的に見えていない可能性があります。
そんな時こそ、グラデーションスケールに当てはめて、モチーフの色分けをしてみてくださいね。
「壁」から脱出できるきっかけになると思いますよ♪
初心者の方にもおすすめですが、スランプになった方も、ぜひ作ってみてくださいね。
・モチーフや作品に当てはめることで光の「明・中・暗」が判断しやすいため、立体を表現しやすくなる。