何故か気になるホウレイ線の話。スケッチやデッサンで人物の顔を描くときに気をつけるべき「線」について

B!

今回は、人物の顔を描く際に、何故か気になってしまう「ホウレイ線」についてのお話です。

 

「ホウレイ線」と聞くと、日本ではあまり良いイメージがないのではないでしょうか?

 

漢字で書くと豊かに歳を重ねることで目立ってくる線…という意味で「豊麗線」と表記され、人相学的には「吉の相」だといわれていますが、この一本の線があるのとないのでは、5才~10才違ってみえるというほど、見た目に大きな差が出てきます。

 

美容の観点からみると、あまり嬉しくない線なのかなと思います。

 

一方、英語では"smile lines"、"laugh lines"などと言われているので、笑った時に頬の筋肉が上がり、口元と段差ができる事によって現れる線と考えられるので、年齢に関わらず、明るくポジティブな良いイメージが思い浮かびます。

 

このホウレイ線、似顔絵を描くとき、どこまで描こうか悩みませんか?(笑)

 

正直に、あるがままにクッキリ描くと、すごく年をとったように見えてしまうし、描かないと、なんだか実物と違うような・・・・。

 

そんな「描こうか描くまいか」躊躇している様子が目に浮かぶような人物の作品が良くあります。

 

「どうしたら自然な感じに表現できるのか?」

 

一緒に考えてみましょう。

 

そもそも、身の回りの全てのモノには「線」がありません。

 

線を使って描かれているモノも、実は面と面の変わり目が「線」として表現されているだけなのです。

 

「ホウレイ線」も、実際には「線」ではありません。

 

頬の膨らみによって見えてくる「面」であって、その部分が凹凸として在る為に「線」のように見えてしまっているだけなのです。

 

ですので、ついつい「線」だけを描き入れてしまいたくなるのですが、「周りの状況」をしっかり観察しなくてはなりません。

 

「なぜ?線にみえているのか?」ということを。

 

しかし、線として描いているのにうまく行っているケースもありますよね?

 

それはその一本の線が立体を表現できているという時です。

 

強弱のつけ方によっても、見え方が変わってきますし、活用の仕方によっては、 頬の膨らみを上手く表現するのに役立つ場合もあるのです。

 

こういったことを踏まえながら、使い方には少し慎重になると良いですね。

 

ここで、活用のポイントを少し覚えておきましょう。

 

ホウレイ線の特徴としては、年齢による筋肉の衰えによって頬の位置が下がってくる故にできる線ですので、くっきり描きすぎると、実際よりも老けた印象になる。

 

・高齢の方の表情を表現する → しっかり描きこみする。

・若い人を描く場合 → あまり強調しない。 (実際それほど目立たないです)

 

という事になりますね。

 

また、思い切り笑った時などにも、頬の筋肉が上がり立体が強調されるため、ホウレイ線の部分が際だって見えて来ます。

英語で言う所の"smile lines"ですね。

 

この場合、年齢の若い方であっても少し描き入れてみると、表情を豊かにするために役立ちます。

 

それから、描く時には線のできる位置や角度にも注意してくださいね。

 

ホウレイ線とスマイルラインでは、上記の通り「線の持つ意味」が異なりますので、良く観察してみてください。

因みに、ホウレイ線の他にも、アクの要素を持つ部分(描き過ぎると印象が変わって来てしまう部分)として以下の3項目が挙げられます。

 

・目の下のクマ(血色悪い、疲れている)

・ゴルゴ線(疲れ、加齢、怖い)

・鼻の下の涙型(鼻の下が伸びている、猿顔強調)

 

みなさん陥りやすい部分ですが、これらは意外と描かなくていい場合が多いので、 気をつけてみましょう。

 

敢えて描く場合には、特に顔のこの部分に特徴がある人だと割り切ると上手くいくようです。

 

「あれ?おかしいな?」と思ったら、「なんでかな?」と、もう一歩踏み込んで理由を考えて行かれるといいですね。

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